子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★☆☆ 泉質★★★☆☆ 泉質は特に問題無し、お湯が熱いことがあるので注意
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★★☆
子連れ家族のための温泉ポイント
白布温泉の西屋、中屋、東屋の三軒のうち、この中屋だけがどことなくB級感を漂わせているような気がする。B級感といったらアレか、親しみやすいと言い換えるか。
この時の泊まる宿の最終候補の一つがここだった。白布温泉の中でお値段お手頃だったから。結局、もっと秘湯に泊まりたいと、さらに奥まった新高湯温泉吾妻屋旅館に泊まってしまったが。
別館不動閣という名だが、本館は無い。正確に言うと、同じ白布温泉の東屋旅館の茅葺きも焼けた2000年の火災で中屋の本館は焼失して、現在は当時から別館であった建物で営業を続けている状態。
黎明館、不動閣、渓谷館という三つの建物が連結していて、大正時代建築の米沢市景観賞「残したい建物部門」を受賞したという不動閣の建物はたいそうかっこいいが、正面玄関は隣の渓谷館の方で一瞬「えっ?」となる。
なお、お風呂はオリンピック風呂と露天風呂があって、両方とも不動閣の中。ただし離れているので一度服を着ないと移動できない。
名物なのはこのオリンピック風呂。名前を聞くと、どこがどんな風にオリンピックなんだ?と興味がわくじゃない。どれどれ、どんな感じ?
そこに待っていたのはひたすら横に長いお風呂だった。しかも何故か浴室入口が自動ドア。広い窓から日が差してきらきら。とても綺麗だけど、なぜにこれがオリンピック?
長さは男女合わせて33メートルもあるという。1946年のオリンピック東京開催時、山形県通過時に使用された聖火台が白布温泉産の石を使って作られたため、同時期に完成したお風呂にオリンピック風呂と名付けたらしい。窓の眺めも良い。大勢でずらっと並んで入れそうだけど、今日は私一人で独占だい。
きしつきが強いお湯は、白い溶き卵状の湯の花を漂わせている。湯の花の量はさっき入ってきたばかりの東屋よりもずっと多く、浴槽の底に降り積もっているぐらい。それを舞い上がらせるのが好き。底や床は信楽焼でできているそうで、タイルと違って独特の温かみある感触。
夫はオリンピック風呂だけで満足したようだが、私はもちろんいったん服を着て露天風呂にも移動。この露天風呂、とても雰囲気が良い。渓流沿いの景色は額縁に嵌めた絵のようだし、この季節は雪見風呂。オリンピック風呂のレトロ感とは違って、今風のお洒落な和風露天風呂だ。
でも中屋 別館不動閣で一番印象に残ったのはお風呂じゃない。最初敷地に入ったとき、ちょうど玄関前で若女将と小さいお子さんが二人で雪遊びしていたの。それがめちゃくちゃ可愛らしくてさ。