子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★☆☆ 濁り湯なので深さがわかりにくいので注意
- 設備★★☆☆☆ 雰囲気★★★★★ 「下の湯」にベビーベッド代わりになるベンチあり
乳頭温泉郷 黒湯温泉 体験レポート
黒湯温泉の湯畑と下の湯
乳頭温泉郷でも鶴の湯温泉に次ぐ歴史を持つ黒湯温泉。昔は鶴の湯温泉以上に人気があったといい、今もその鄙びた風情は変わらず…なお乳頭温泉郷では唯一冬季休業する。確かに一番奥まった場所に建っているが、それ以上にちょうど雪の吹き溜まりになるような立地で冬は営業できないそう。
黒湯温泉名物の黒たまご
2002年に一度日帰りで来たことがある。そこで2020年には泊まってみることにした。食事付きで泊まれる旅館部もあるが、自炊できる客室や1棟貸しの離れの別荘もある。
茅葺屋根の自炊棟
そしてそして自炊棟にはなんと茅葺き自炊棟があるんだよ。これは泊まるしかないでしょ。茅葺で囲炉裏付きのお部屋だよ?楽しいに決まってる。
茅葺屋根の自炊棟の室内、日帰り客がぶしつけに覗き込んでいくことも
黒湯温泉の駐車場は高いところにあって、車はそこに停めて坂を下りる。受付でチェックインして中に入ると受付棟の近くに混浴の「上の湯」、宿泊棟の横を過ぎて階段を降りると右に湯畑、左に男女別の「下の湯」があり、さらに独立した打たせ湯がある。
自炊棟から階段を降りると湯畑
私たちが泊まった茅葺屋根の湯治棟は湯畑に降りる階段の手前にある。もうね、目立ちすぎ。お風呂に行く日帰り客はみんなこの前を通るし、角部屋は3方が窓なのでほぼ室内が丸見え状態。ここ泊まれるの?マジ?てな感じで完全に見世物になっている。
でも絵になるんだなぁ。茅葺だから。特に夕暮れ時なんてね。
客室棟、ここのトイレと炊事場を使う、またこの棟にも自炊プランで泊まれる
炊事場
棟内にお手洗いが無いのは面倒だけど、斜め向かいの旅館棟に行けばいいし、炊事場もそこにある。鍋とか作ってお部屋の囲炉裏で温めて、飲みながら食せばもうそれだけで十分。外のテーブル席で食事をしていた家族もいたね。ホント自由。
こんな風に鍋を作って部屋の囲炉裏で温めればいい
お風呂の話もしよう。「上の湯」は内湯と露天風呂があるが全部混浴。お湯は白濁しているから透けにくいけど、水着・バスタオル巻き・湯あみ着は不可。2002年に来て入ったのはここだ。覚えてる。屋根付きの木の露天風呂と同じく木製の内湯があった。
「上の湯」の混浴露天風呂、お風呂は全て取材で許可を得て撮影させてもらっている
お湯の色は青みがかった乳白色。上澄み部分はほぼ透明で、色が綺麗な濁り湯だ。マッチじゃなくてゆで卵系の硫黄のにおい。肌触りはどちらかというと滑らかだが、すべすべという程ではない。
「上の湯」の混浴内湯
でも湯上りは恐ろしいほどすべすべになるよ。乳頭温泉郷では休暇村乳頭温泉郷に次ぐすべすべ度だと思う。
「下の湯」の内湯
「下の湯」は男女別の内湯と露天風呂。「上の湯」よりどちらも広く思える。そして「上の湯」とは少し違う色合いだがやはり綺麗目の濁り湯。ゆで卵臭に湯上りのすべすべは共通している。
内湯の両側に洗い場があるが、シャワーの設置はなく、代わりに洗い場専用の槽と湯口があり、どんどんとそこに溜まるお湯を直接汲んで使うようになっている。リンスインシャンプーとボディーソープは置いてある。このシステム、座って使うとわりと使いやすく髪を洗うにも特に困ることはない。
洗い場はこんな感じ、シャワーはないが、髪を洗うにも不自由ない
露天風呂は長方形。上空は空で屋根はなし。夜には星が見えるかと思ったが、むしろお湯の湯気でもわもわして見えなかった。
「下の湯」の露天風呂
さて、そんな茅葺屋根や混浴湯小屋や自炊設備を残す黒湯温泉だが、場所が国立公園内なので簡単に増築できないのが悩みなのだそうだ。その代わりに修繕名目で可能な範囲はメンテナンスついでに新しくしていっているとのこと。だからトイレとかとても綺麗よ。
黒湯温泉の案内図
それともう一つ泊まって面白かったのは、朝、湯畑を宿のスタッフがせっせとかき混ぜていたこと。何をしているんですか?と聞いたら、お湯を濁り湯にするためなんだって。晴れた日が続くと透明に近くなってしまうんだとか。実際にこの日夫が朝風呂に行ったときはお湯がほぼ透明だったらしい。
黒湯温泉の食事処兼土産物屋
かき混ぜながらスタッフ曰く、この濁りが美肌の元だからねって。
湯畑
打たせ湯
追記
乳頭温泉郷の鶴の湯・妙乃湯・蟹場・大釜・孫六・黒湯・休暇村乳頭温泉郷いずれかの宿に宿泊すると、「乳頭温泉郷湯めぐり帖」(1,800円)を購入することができる。
これは一回ずつ乳頭温泉郷の各宿の湯に入れるというもので、ほぼ三ヵ所回れば元が取れてしまうというありがたいスタンプ帳(いわゆる乳頭温泉郷湯巡り手形)。チェックイン前からどの宿のフロントでも購入できる(乳頭温泉郷のいずれかの宿に宿泊予約を済ませていることが条件)。