20.六番湯 目洗の湯
目洗の湯は六番湯。眼病、美肌に効果有り。
建物正面にはやたらと花が飾ってある。
先客が何人かいて、そのうち一組は小さい子供を連れていた。どうも三世代旅行のようだ。おばあちゃんとママと男の子だった。
さらに男湯にパパがいる。
「そろそろ上がるよ」なんて声が壁の向こうから聞こえてきた。
脱衣所で、先に着替えさせてもらった男の子は、一人でさっさと出ていきそうになり、おばあちゃんが笑ってここは出たら鍵がないと戻れないんだよと言った。
お湯はわずかに白濁していて羽毛のような湯の花が大量に舞っている。
臭いは金気臭もあるが土臭い。ちょっとさっきの
穂波元湯を思い出す臭いだった。
他の外湯のお湯と違って肌触りのきしきし感がない。
なかなかよく温まる。
ここの浴槽や床の簀の子も木だ。目洗の前に入った
神明滝と
七操の湯が壁を張り替えて明るい感じになっていたのに対し、目洗の湯は薄暗く、いい色に古びて味があった。
さて、今歩いている温泉街の東側は、並行して走る二本の道に外湯が点在している。
今、七操の湯と目洗の湯には入ったから、次は隣の道の
松の湯と
竹の湯を目指すとしよう。