子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★☆☆☆☆ 泉質★★★★☆ 温度は熱い
- 設備★☆☆☆☆ 雰囲気★★★☆☆
子連れ家族のための温泉ポイント
七番湯、七操(ななくり)の湯が見えてきた。
確かこの源泉は高薬師から温泉寺に向かう御利益散歩道沿いにあった。
七つの病に効くのか、七回入浴すれば効くのか語源はよく判らないらしい。外傷性の障害や病気の回復によく効くという。障害や回復ということから七回の方が正しいような気がする。どちらも一発で効くような内容ではないからだ。
七操の湯はコンクリートの四角い建物だ。造りは今日入ってきた今までの外湯と違って飾り気は無いが、木製のドアや外壁に貼られた格子状の木の枠があるので近づくとやはり渋の外湯らしさがある。
ストリートが変わると同時に、お湯もぱったりと様相を変える。
七操の湯は今までの渋の外湯の湯のどこにも似ていない。
無色透明で、消しゴムかすみたいな巨大湯の花が沢山うようよしている。
金気臭もするが、やっぱり今までのお湯とは違う種類の金属みたいな感じだ。
入り口に「七操の湯は非常に鉄分が多いため、赤い湯花が生じます」と張り紙があったが、ほとんど白い湯の花ばかりだ。
意識して探すとようやく赤いものもちらほらと見つかった。
浴槽は大きめで水色の細かいタイル張り。縁は黒御影石でできている。
ここに入っていたおばさま方は、熱い熱いと悲鳴を上げていた。どこそこの湯はもっと熱かったと一人が言うと、ひえー、これ以上は入れないと声を挙げて驚いていた。
七操の湯はそんなに熱くはないと思うぞ。
10年後の2014年の夜に訪ねた時は、地元の方が3人ほどが入浴していた。
挨拶をして掛け湯を始めると、「ここのお湯は他より熱くないわよ」と教えてくれた。
渋の外湯はどこも熱いものなー。
そうか、七操の湯はそんなに熱くないのか。その時はそれで納得した。入ったら本当にちょうど良い温度だったから。
お湯は無色透明だが、たまに特徴的な真っ黒な湯の花が浮かび上がってくる。
七操の湯は渋・湯田中辺りに多いべたつく感触が無くさらりとしている。
ここまで読んで、それじゃ七操の湯は渋温泉外湯九湯の中でも唯一熱くないお風呂だと思うでしょ?
甘い甘い。
翌朝もう一度来たら七操の湯もそこそこ熱かった。
結局渋温泉の外湯が適温なのは誰かがぬるめた後なのだ。
無色透明の湯の中にはたまに黒い湯の花が舞っている。
鉄分が酸化して赤黒くなったようだが、この湯の花、数は多くないが結構大きくて、羽毛のようにひらひらしている。
上がるときにちょうど他の人が入ってきて、金属のにおいを幾重にもまとわりつかせていたので、もしかして渋大湯から来たのかななんて思ってしまった。
さあ、次、八番湯へ行ってみよう! もうちょっとで九湯制覇だよ。