子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★☆☆☆☆ 泉質★★★★☆ 温度は熱い
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★★☆ ベビーベッドに使えるベンチあり
子連れ家族のための温泉ポイント
渋温泉九湯巡りで8湯回り終えていよいよ結願湯、ラストの渋大湯だ。
社と足湯の下に潜るように建物があり、両面に入り口がある。石畳の通りから見て右手から入ると女湯入り口、左手から入ると夢ぐり願い処と男湯入り口だ。
夢ぐり願い処というのは、占いと願掛けのミックスのようなもので、願掛け手桶を振っておみくじのように幸運の外湯番号を引く。出た番号の外湯に入浴して札に印を押し、願い事を書いて奉納すると叶うという。
九湯巡る時間や気力のない人が、どれか一湯選ぶのに神頼みするのもいいかもしれない。
渋大湯の看板にはオレンジ色の灯がともっていた。
中からは人の話し声がする。なんと言っても目玉の外湯なので人気があるのだろう。
もう時間は6時20分前。
なんだかんだで結局九つ全部廻ってしまったようだ。
ギィィと鍵を開けてドアを開くと、脱衣所に二人、浴室にも二人ほど先客がいるようだ。
流石に大湯なので脱衣所も広々としている。普通の浴室の他に子宝長寿の蒸し風呂もあるが、入り口が別なのでいったん体を拭かないと移動できないようだ。
何しろ渋温泉の顔とでも言うべき外湯だから、万病に効くということになっている。地元でもとにかく渋大湯だけでも入ってみて、そこが一番のお勧めだよと言っていた。
大きな四角い浴槽には、地下5メートルの岩盤から湧き出るというオレンジと緑の入り交じった茶色い濁り湯がなみなみとたたえられている。
色だけでも強いインパクトがある。濁りが激しく沈めた手もまったく見えない。
強い強い金気臭。今までの渋温泉の他の外湯の綿の湯や笹の湯の薄い金気臭などふっとぶくらいの鉄分を感じる。
肌のきしつきも強い。
浴槽も床も壁も全て木造。それも鉄分であちらこちら赤茶色に染められている。
浴槽は真ん中で二つに仕切られ、湯田中大湯と同じように中が繋がって高温槽と低温槽に別れるようになっていた。
比較的熱めだが、入るのに躊躇するほどではない。
なるほどこれは天下の大湯の風格を備えているなぁ。
そして10年後の2014年にもう一度来た時には、確か前に来た時、渋大湯は金属のにおいがしてオレンジ色だった記憶があると思った。
しかし浴室に入った途端に迫ってきた金気臭は記憶していたものよりずっと強烈だった。
金属をごしごしとこすった時に立ち上るあのにおい。浴室全体に充満している。
流石に日帰り観光客も受け入れているだけあって、浴室の規模は他の外湯よりずっと大きい。
全体的に木でできている大きな浴槽を真ん中で仕切ってあるが、仕切りの板は高さが斜めになっていて、上澄みの一部が行き来できるようにしてある。
当然湯口側が熱く、湯口から遠い方がぬるくなるはずだが、手を入れると両方変わらないくらいに熱く思えた。
観光客と思われる先客が二人でせっせと水を入れている・・・が、いくら入れても熱いので諦めて場所を譲ってくれた。
「ぬるくならないので入ってないけど上がります」
あらら。
緑がかったオレンジの濁り湯。
色といいにおいといいとても主張が強く、他の外湯の繊細な違いが全部ふっとびそう。
先客がぬるめてくれた水の蛇口の近くに身を浸す。ちょうど良いくらいに温度が下がっている。
いつに間にか他の人はみんな上がってしまってお湯の流れる音だけがする。
天井を眺めて、今何時だろうと思った。
さあ、九湯巡りが完了したら、最後は渋大湯の向かいのいよいよ渋高薬師で満願成就だよ。頑張って石段を昇ってね!
日帰りで渋大湯しか入れなかった人も、お参りだけでもしていくと、何かご利益あるかもよ。