21.五番湯 松の湯
道を真っ直ぐ行ってもどうせカーブしてもう一つの道に繋がっているのだが、新栄館と御宿炭乃湯の間に細い道があり、そちらが近道だ。外湯を示す表示板もあるので判りやすい。近道を抜けると、もう正面が松の湯だ。
松の湯にも先客が何人かいた。こちらも子供連れ、しかし
目洗の湯の家族と違って地元の人たちらしい。
「寒くなってきたからお風呂にでも入らなくちゃやってけないわよねぇ」なんて会話を交わしている。
子供が入っていたためだろう、水道水の蛇口全開で、かなりぬるまって適温になっていた。
松の湯は五番湯。神経痛と病気の回復期に効くという。
無色透明の湯で、薬のような臭いがする。
薬といっても消毒用のカルキではない。もっと違う、病院の廊下に漂っているような臭いだ。
湯口は木の枠で、お湯の流れを止めるための板がある。基本的に温度調整はこれで行うのだろう。
子供があがってから、水を止めさせてもらった。