1.朝風呂は中尾の湯
二日目 2004年12月30日(木)
今朝は
中尾の湯に朝風呂に行くつもりだったが、なかなか起きられなかった。
それもそのはず、昨日はしめて六ヶ所も外湯を回ってしまったからだ。
野沢の外湯の他、ここ、
しなざわのお風呂と、更に野沢の前に
馬曲温泉にも入っている。
渋温泉の時もそう思ったが、前日にあんまりしゃかりきに回りすぎると、翌朝、楽しみにしていた朝湯のために起きるということができなくなってしまう。
まあ早い話が自業自得ということだ。
起きたい~中尾の湯に行きたい~としばらく布団の中でごろごろしていたが、ようやく朝食30分前になってなんとか身を起こすことができた。
パパは既にちゃんと早起きして、今朝も中尾の湯に入ってきている。
「空いてた?」
「とんでもない。夜行バスで着いたスキー客の若者がごっそり」
パパが行った6時半頃はまだ清掃中だったのだそうだ。
何時に終わるのかと思って「掃除中ですか?」と聞いたら、「入って良いよ」と言われてそのまま入ってきたそうだ。
そして清掃していたおじさんたちも、作業終了後、一緒に一風呂浴びて帰っていった。その後にどやどやと若者たちが入ってきたという。
うーん、どうするかな。
まあ中尾の湯まで徒歩3分。20分もあれば入ってこられるだろう。
「今から行ってきていい?」
「いいよ」
今朝は雪が降っていた。
昨夜からずっと降り続いているのかもしれない。
道も車も建物の屋根もすっかり白い帽子を被って、昨日とは違う場所のようだ。
中尾の湯の場所はよく確認しないまま宿を出てしまったが、温泉街の方角へ歩けばすぐにあるはずだ。
右手の雪の中に立派な木造建築が見えた。きっとあれがそうだろう。
入り口がよく判らないが、雪を踏み固めたような通路が見えたのでそこを行ってみた。
うん、正解。
ちょっと靴の中に雪が入ったが、中尾の湯に着いた。
正面玄関はしなざわの方から行くと少し裏へ回った方についていた。
中尾の湯は野沢に13ある外湯の中でも一番大きい。
建物も大きく中も広々としている。
温泉街から外れている分、いかにも後からできた新しい外湯といった雰囲気だ。
やっぱり先客が数人居て、「おはようございます」と挨拶をして入った。
一応浴室との間についたてはあるが、ここも脱衣所と繋がっている。
中尾の湯には洗い場があってカランがある。上がり湯ができるのは外湯の中ではここだけと言うから、髪や体を洗うにも楽だ。
浴槽も広い。
それとも浴室の空間に余裕があるからそう感じるのだろうか。
大湯と同じで二槽に分けて下が繋がっているが、湯口がぬるいと思われる方に直結させてあって、どちらもあまり変わらない温度だった。
無色透明のすっきりしたお湯だが、湯の花はにょろにょろとやはり大きい。ここの湯の花も二色。白と半透明でできている。
野沢温泉の印象はとにかく湯の花が派手だったというところだろうか。
臭いはゆで卵の臭いだが、昨日回った外湯の中では一番薄いような気がする。それでももちろんかなり強いのだが。
ぽかぽかとよく温まった。