透明度の低い濁り湯では混浴でも心配ないと思うが、一番の難所は入る瞬間と上がる瞬間だ。
それだけに、お風呂に誰もいなかったというのは有り難かった。
先に常連さんからいろいろ聞いていなかったとしたら、脱衣所の混雑を見て絶対に諦めていたと思う。
そうしたことも、また行く先、行く先、お風呂が空いているのもちょっとしたタイミングで何もかもラッキー。
こうしてみると、万座プリンスホテルで断られたことも、車ではなく歩きで来たことも良い時間調整になったような気がする。
豊国館の混浴露天風呂は濃厚だった。
他に形容しようが無い。とにかく濃いような気がする。
他のお風呂と比較しても濁りも強いし、硫黄らしいゆで卵とマッチを擦ったときのような臭いと、酸っぱそうな臭いも強い。
お風呂は女湯露天風呂と比較して長方形で横に長く、竹垣の無い分見晴らしも良い。
ススキの揺れる向こうに山肌からわき上がる湯煙。
何だかえらく満足感のある入浴だった。
湯口の所にプラスチックのコップがあった。
五色温泉でも思ったけど、どうしてこうマンガのキャラクターみたいなのが入ったチープなコップを置きたがるんだろうな。
木の湯口から注がれる源泉はかなり熱かったが、思ったほど苦くない。酸味が強くレモネードみたい。yuko_nekoさんははっきり不味いと言っていたが、私はそれほどでも。
しばらく女二人きりで混浴露天風呂を堪能していたが、一人男性が入ってきたのを機会に出ることにした。
後から入ってきた男性も、こちらの方を見ないようにしてくれたので出やすかった。
みんなこんな風にしてくれたら混浴でも入りやすいんだけど。
後で女湯脱衣所に戻ってからyuko_nekoさんとそんな話をした。
何しろ前に一緒に
宝川温泉に行ったときは酷い男性もいたから。
yuko_nekoさんは沢渡で、私は
酸ヶ湯や
四万の山口露天風呂でも嫌な目にあったことがある。埼玉の
百穴温泉に至っては論外だ。