子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★★ 泉質★★★★★ 湯温は温め、泉質は特に刺激なし
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★★★ バスタオル巻き可なので家族で混浴に入るのもいいかも
子連れ家族のための温泉ポイント
「日本一の大露天風呂」と言えばここらしい。
また、熊の入浴する露天風呂としても有名(今の条例では禁止されているので、現在は熊は入れない)。昭和25年頃に親を亡くした2頭の小熊をこの宿で育て、その熊たちがお客さんと一緒に露天風呂に入るというので、当時テレビなどでさんざん騒がれた。
熊が入らなくなった今でも、この温泉がテレビに出ることは珍しくない。広さ、川をのぞむロケーション、季節ごとの自然の移り変わりを楽しむには、このお風呂は最高だ。立ち寄り入浴料金はかなり高いが、首都圏のテーマパーク風温泉に行くことを考えると、それほど高くないように思えるのが不思議だ。
古くは日本武尊が白鷹が飛び立つのを見て発見し、病を癒したとの伝説が伝わる。がしかし、伝説の湯は今は枯れ、昭和に入ってからボーリングされた源泉4箇所で広大な露天風呂を全て賄っている。
最大200畳の子宝の湯を筆頭に、摩訶の湯100畳、摩耶の湯100畳、般若の湯50畳、併せて450畳。畳を450枚も敷いた面積がある露天風呂を想像できる?。
連休前日の平日朝9時に向かった。立ち寄り入浴受付時間前から、既に3人ほど駐車場で待つ人影あり。紅葉シーズンなので賑わっているのだろう。
露天風呂までのアプローチも個性的だ。
民芸品が並んだ通路まではいいとして、小屋のような建物の中を抜けるのだが、その中は摩訶不思議な空間だった。
骨董品、小民具、昔のおもちゃ、提灯、焼かん、団扇、ユーフォーキャッチャーのぬいぐるみ、湯のみ、花瓶、掛け軸、幟、繭玉、ランタン…所狭しと迷路のように並べてある中に、本当に燃えている炭の暖炉があったり、生のリンゴが三つ置いてあったりする。しかもその奥に、コーヒーショップ(営業中)があるらしい。
建物を出ると、今度はクマがいる。檻の中に何頭か、さらに川沿いに小熊が二匹繋がれて、餌の果物を食べていた。腕白な二匹はぐるぐる回ったり手すりによじ登ったりと一時もじっとしていない。うちの娘たちを見ているようだ…。
川沿いに進むと、道が左右に分かれており、より川に近いほうの道を行くと、いきなり目の前に巨大な露天風呂が現れた。
赤と黄色の鮮やかな紅葉の枝が張り出した奥に、テレビなどでよく見る堂々とした東屋作りの屋根がある。
これだこれ、これが宝川温泉。
摩訶の湯と般若の湯は脱衣所を挟んで背中合わせにある。男女別の脱衣所は広くはない。中には水着で入らないで下さい。女性はバスタオルを巻いてお入りくださいと書かれている。バスタオル巻は可能なのね。それならかなり入りやすい。通路からもあれだれ豪快に丸見えだと流石にタオル無しはきつい。
摩訶の湯は入り口はちょっと深いがすぐ浅めになる。お湯の温度も気持ち温いくらい。子供たち好みだ。
何よりロケーションが素晴らしい。
広々と開放感に溢れて、手の届きそうなところに寶川の瀬が。頭上にはほどよく染まった紅葉また紅葉。極楽極楽。
脱衣所の裏には般若の湯がある。摩訶の湯に比べると個性的な作りではないし大きさも半分ぐらいだが、入浴者以外の視線が無いからここはここで落ち着ける。何より温くて浅いので子供は大喜び。
摩訶の湯が最初に見えた場所でかなりはっきりした硫黄臭があったので、露天風呂でも臭うのかと思ったら、お湯に入ってしまうとほとんど臭いは無い。湯口で薄く臭うだけ。どちらかというと沢水系の臭いの方が強い。
味はごく薄いゆで卵系。あっさりしている。肌触りはきしきし。僅かに泡つき。
全体的に強い個性は無い感じだが、ここはもうロケーションだけで100点満点だと思う。
この温さなら、本でも持って入って半日のんびりしたいな。