2.吾妻渓谷の紅葉…には一足遅かった
榛名湖畔を行けば、黄色く染まった広葉樹が半分ほど葉を落としている。
昨夜
レークサイドゆうすげのお風呂でパパが地元の方に聞いた話。榛名山の紅葉は黄色や茶色の葉がほとんどなので赤が足りない。そこで町をあげてせっせとカエデを植樹しているとか。あと数年したら榛名湖は紅葉の名所になるよ、と。
どうりで道の端には不自然に小さい、人の背丈ほどのカエデが等間隔に植わっている。人工的な紅葉なのね。
昨日は渋川から伊香保を経由して榛名山を登ったが、今日は中之条方面へ抜ける県道28号線を降りる。榛名山の紅葉はこちらの方が綺麗だ。
九十九折の道を降りていくと、正面に印象的な岩山が聳えていた。岩櫃山だ。昨日の吹割の滝といい、群馬には日本離れした景観が多い。妙義山も山水画の世界のようだし、榛名山だって粘土を積み上げたような不思議な山容だ。
岩櫃山も紅葉していて赤や黄色のまだら模様だ。
「今回の旅行は天候に恵まれているよね」と、言うと、
「昼食には恵まれないけどな」とパパ。
そういえば昨日も一昨日もまともな昼食を食べていない。
川中温泉方面への曲がり角より少し手前くらいから、渋滞が始まった。この車、みんなどこへ行くのだろう。吾妻渓谷か、草津か。今日は連休のなか日だから、有名どころはどこも混むのだろうな。
残念ながら吾妻渓谷の紅葉も既に終わっていた。
渋滞は吾妻渓谷渋滞だった。もともと道が細いところへ、無理に満車の駐車場に入ろうとしたり、路肩に車を停めたりするので渋滞するのだ。
葉が6割がた落ちた木々を見て、この状態で無理に駐車して見に行くほどではないなと判断した。車の中からもちらりと渓谷の深緑の淵が見えた。いつか、水底に沈む前にここの紅葉も見てみたい。
川原湯温泉の入り口も沢山の車が駐車していた。みんな吾妻渓谷観光なのだろう。遊歩道をひとしきり歩いて、それから川原湯温泉に入って帰るのかな。今日は川原湯も大忙しだろう。
ちょうど川原湯駅には草津口行きの特急が停まっていた。大人だけなら、鉄道で来るのもきっと楽しいね。
国道沿いに岩肌が露出した川原湯岩脈のあたりで吾妻川の河川敷を見ると何か掘り返している。パパが「発掘」とかって書いてあったぞと言う。リサーチとも書かれている。いったい何を掘っているのだろう。ここもまもなくダムの底に沈むんじゃないのかな。
長野原草津口の手前に左に入る細い道がある。薬師温泉の看板が出ているので判りやすい。こちらへ行くと、
鳩ノ湯温泉、薬師温泉、
温川温泉の浅間隠温泉郷。川原湯・吾妻渓谷の道が混んでいたので、パパは帰りはこちらを通るかな、と言う。
…これから草津に向かって、よもや天下の草津温泉に入れないということはないだろうけど(でも前科(
榛名湖日記その3 三日目参照)があるから心配だ)、万が一入れなかったら浅間隠を保険にしておこう。
六合村・尻焼温泉方面へのT字路を過ぎる。
今年のGWに、尻焼温泉の川の露天風呂に入りに行って、雪解け水による増水に泣かされた。必ず次は入ってやるぞと思ったし、今頃は水量も減っていい感じになっていそうだが、旅行が始まってからカナが少し咳をしているのが心配で今回は行かないことにした。寒い季節の野湯は、入っているときはよくても湯上りが問題。
次が草津へ曲がる道。
既に吾妻渓谷で紅葉が終盤だったのでもう草津の錦は期待できない。
この辺りにも人の背丈ほどの小柄なカエデが…もしかして秘密の人工紅葉植林プロジェクトは、榛名山に限らず群馬全土で実施されていたりして。東北に負けるな、栃木に負けるな、紅葉の名所といえば群馬と言わせてやるという心意気が見えるかも。