子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★★ 泉質★★★★☆ 湯温は温めで赤ちゃんにもグッド、泉質は特に刺激なし
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★★★ 内湯は重い木の蓋を開けて入るため、赤ちゃん連れには苦しいかも
子連れ家族のための温泉ポイント
それは10月はじめの雨の降る日のことで、草津から東京へ真っ直ぐ帰るにはまだ早い時間のことだった。
昼食に入ったうどん屋で次の行き先を決めた。
プランは、三つ。
一つ、まっすぐ軽井沢経由で帰る。
二つ、美人の湯と名高い川中温泉を経由して帰る。
三つ、昔ながらの雰囲気を残した浅間隠温泉を経由して帰る。
いろいろ考えて、三番目のプランを選んだ。
浅間隠温泉には鳩ノ湯温泉、薬師温泉、温川温泉という、三つの温泉がある。それぞれ一軒宿で、日帰りも受け付けている。総檜張りの内湯が自慢の鳩ノ湯温泉と、休憩室も付いた温川温泉で迷ったが、雨の日なので内湯に特徴のある方を選んだ。鳩ノ湯温泉・三鳩楼。
昔ながらの総檜張りの浴槽。壁も全て木製で、やはり木の蓋がしてある。自分で一枚ずつ開けて入り、出るときには元に戻す。元々の湯の温度が42度しかないため、それを保つために蓋が必要なのだ。
とにかくこの蓋が非常に重い。細長い厚みのある板なのだが、女性だと全部開けるにはかなり力がいる。他に誰も手助けできる人がおらず、赤ちゃん連れで入るには難儀しそうだ。
お湯の色は白濁した青灰色。日によって違い、無色透明になる日もあるのだそうだ。
何より面白いのは湯口の湯。一時間に十五分ほど湧出するらしく、出ているときがあれば、ぴたりと止まっているときもある。4歳になったばかりの長女は興味津々で見つめていた。
浅間隠山はその名の通り、浅間山を隠すことから名づけられている。山麓の浅間隠温泉郷は草津の仕上げ湯のひとつとして知られ、中でも鳩ノ湯は鳩が傷を癒したことからその名がついた。
寛永五年から経営を始めた江戸時代からある由緒ある湯治場なのだそうだ。
露天風呂は下の左画像(右は内湯の湯口)。広くはないが、檜の香りがする。一度着替えないと露天風呂と内湯を行き来できないのが少し面倒。
混雑した草津を出て、浅間隠でようやく落ち着けたよう。
それでは、そろそろ東京へ帰ろうか…