10.東の横綱 湯田中大湯
もっと薄暗い浴室をイメージしていたが、中は明るく新しい感じだった。たぶん床の簀の子を張り替えてあるのでそう感じるのだろう。
天井が高く
鯖湖湯や
小野川尼湯のように脱衣所と浴室が繋がった作りで、浴槽は細長く二つに仕切られている。
地元の人が何人か入浴中で、うち一組は親子連れだった。
二つに仕切られているのは温度を変えるためで、上の方は仕切があるが下は繋がっている。なるほど、熱い湯は上に、ぬるい湯は下に行くから、下だけ繋げておけば湯口から遠い方は何もしなくてもぬるい湯になる。
熱いといっても、まあ適温。昨日の
安代大湯に比べればまるで熱くない。
誰かぬるめたのかな・・・まあ、その可能性は大有りだろう。
無色透明で肌に染み渡るようなお湯で、印象は安代温泉にとてもよく似ている。昆布出汁臭は共通だが、さらにここの昆布は焦げている。焦げ昆布の臭いといったところだ。
羽毛みたいな白い湯の花が少し舞っている。ぬれたまま腕をこすったときのオイリーなぬるぬる感も少しあった。
湯口のところに動かせる木の枠があって、湯口のお湯を浴槽に入れたり、入れずに洗面器に移したり自由にできるようになっている。
壁に明治19年に当時の陸軍の軍医が定めた湯田中大湯の入浴法がかかっている。
旧仮名遣いで、浴後に顔を冷やせとか、入浴中に顔や頭を冷やせとか書いてあって、さぞやこのお湯で倒れる人が多かったんじゃないかなと思った。
ちなみに後から
湯田中大湯のことを調べたら、どうもウォークラリーで開放されなくても、よろづやで頼めば鍵を開けてくれるらしい。
・・・私の苦労は何だったの?
まあ、入れたから別にいいんだけどさ。