2.白布温泉へ
山桜に見送られて、カーブの多い山道を下り始めると、すぐにあたりの景色は雲の中。
今日は晴れると思ったのにな。
それがトンネルを抜けると景色は一転。
快晴の空が広がっていた。
今日はこれから
白布温泉へ行ってみようと思っている。
本当は二日前、
小野川まで行ったついでに足を延ばそうかと思ったのだが、少し遠いし、一番行きたかった
西屋旅館で自遊人という雑誌についてきた入浴無料パスポートが連休中は混雑したら使えないと明記されていたからだ。
連休は昨日まで。今日は平日。きっとタダで入れるに違いない。
滑川から白布に行く道は、米沢を経由しなければ水窪ダムのダム湖の畔を通る。
山の中の静かな湖で、今雪解け水で増水しているのか、緑の葉をつけた木々が半分湖の中に沈んでいるのが面白い景観を作り出している。
白布温泉は、
蔵王高湯、
信夫高湯(高湯温泉)と並ぶ奥州三高湯のひとつで鷹が傷を癒しているのを見て猟師に発見された伝説を持つ。
西屋、中屋、東屋と三軒の茅葺き屋根の旅館が並ぶことで有名だったが、誠に残念なことに平成12年、火災のため東屋と中屋が焼失、今は西屋だけが昔の面影をとどめる。