7.かがみゆのぬる湯
先客は二名ほど。
子供たちを洗っていると、浴槽の縁を越えてさらさらさらさらと溢れるお湯。
すわ掛け流しかと思えば、残念、底からは強力に吸引。
外観からすると浴室はかなり綺麗で明るく、内湯にはぬる湯の浴槽と加熱適温の浴槽の二つ、繋がった窓の外には下部温泉で初めてという露天風呂があり、ここも適温。
三つとも底から吸引しているが、特にぬる湯の浴槽は湯船から捨てられるお湯の量も多く、半掛け流しという感じだ。
どうしてもカルキ臭がするが、最近入った塩素三兄弟(勝手に名付けた
秩父湯元武甲温泉、
会津本郷温泉、
坂下温泉)に比べればまったくマシな方。
そりゃあさ、温泉のお湯は掛け流しがいいとは言わないけど、循環は嫌よ(ん? 同じ?)。循環は嫌なんだけどさ、まあここまでなら許せるかなという感じ。
そうは言っても、千円は高いと思う。
前に入ったときは、ぬる湯の浴槽がとにかく冷たくてとても入れなかった記憶がある。でも今日はとても気持ちいい。暑い日だからか、お湯の温度があのときより高いのか。
体温より少し低いくらい。プールのように冷たくはない。
内湯の二つの浴槽のうち、ぬるい方は圧注浴のノズルが、熱い方は底からジャグジーのぼこぼこが出ている。これをつけなければもしかして循環にしなくてもすむのかしら。つくづくもったいない。
露天風呂はそれほど大きい物ではないが、身を乗り出せば川まで見える。
お湯は無色透明でときどきごく細かい粉のような湯の花。
湯中で肌をこすると、きしきしを通り越してぎしぎしいいそうな引っかかり具合。
どの浴槽でも結構肌に泡がつく。
先客はすぐあがってしまい、ぬる湯好きの子供たちはなかなか出る気配なし。
浴室の一角に「飲めます」の蛇口有り。女湯のそれはよく公園や冷水サーバにある直接水が吹き上がるタイプだったが、後で写真を見たら男湯は何故か鶴の形の筒から普通の蛇口が出ていてコップで飲むようになっていた。
味は特にしないが、特徴的なのは舌触り。
ぎとぎとラーメンを食べた後みたいなこってりとぬるつくテクスチャー。
入浴中のぎしぎしとした肌触りと相容れない感じでちょっと不思議。
湯上がりは体が中から温まっているのに清涼感のあるさわやかさで、とても気持ちよい。
夏に最高の温泉の一つかもしれない。