子連れ家族のための温泉ポイント
- 湯温★★★★☆ 泉質★★★★☆ 湯は適温、泉質は特に問題無し
- 設備★★★★★ 雰囲気★★☆☆☆ 脱衣所のベビーベッドやカラオケ無しの休憩室も有り
子連れ家族のための温泉ポイント
巡礼の里、三十四ヶ所の観音霊場を巡る札所で有名な秩父のランドマークは武甲山だ。
秩父というとセメントのイメージが強い。秩父嶽と呼ばれる武甲山は遠目にはまるで雪渓のように見える異様な白い削り後がいくつもある。これは削り取られた石灰岩だ。
コンクリートのビルが高くなるごとに、この山は低くなる運命にあるのか。
そんな武甲山が見下ろす横瀬町に、キャンプ場や宿泊施設も備えた日帰り温泉、秩父湯元武甲温泉はある。
既に芝桜の季節を終えた羊山公園や、苺狩りもできる芦ヶ久保果樹公園村で遊んでから、武甲温泉で汗を流すことにした。
ここには秩父最大の露天風呂もあるという。
施設は大変綺麗だった。脱衣所にベビーベッドもあるし、休憩室はご丁寧にカラオケ付きとカラオケなしの両方を備えてある。隣にはキャンプ場と川なんかもあって、温泉の駐車場がいっぱいだったらキャンプ場の駐車場をお使い下さいと書いてあったり、夏なんかは川遊びついでに温泉なんて楽しみ方もできるらしい。
ただ、全体的に塩素消毒によるカルキの臭いがあまりにきつく、そこが非常に残念な施設だった。
中央に小さめの浴槽、外側に圧注浴もある大きな浴槽。他にサウナと水風呂、露天風呂がある。
印象的なのはお湯の色。蛍光灯のせいなのか、蛍光がかった薄い黄緑色に見える。
軽いにゅるにゅる感がある。
露天風呂は天気がよいのでその分気持ちが良かったが、東屋風の屋根がついた四角い作りは、取り立てて個性的でもなく、秩父地方最大サイズといっても大きさだって大したこと無い。囲われていて見晴らしが良いわけでもない。
最後に内湯の小さい浴槽に入ってみたら、ここが一番カルキ臭が薄かった。その分、何かしらの臭いが嗅ぎ分けられそうな気がしたが、どうしても何と言い切れない薄さだった。
子どもたちもここはあまりお気に召さず、早々に上がることになった。
湯上がり、肌はなかなかすべすべになっていたが、pH10.49と相当な高アルカリ泉であるにしては弱いかもしれない。
ところでここは脱衣所から繋がったところにサンデッキというかテラス席のようなものがある。ベンチや自販機(ビールも売っている)があって、露天風呂がよく見える。裸でも服を着ても太陽の下で休めるちょっと変わったスペースになっている。
子どもたちはここがいたく気に入って、冷水サーバの水をコップに入れて持っていっては、裸のままそこで涼んでいた。
このスペースで好きな飲み物を飲んで水分補給してから、またお風呂にはいるなんて楽しみ方もあるんだろうな。
個人的にはもうちょっと温泉そのものを活かしてほしいと切に思う施設だった。だって持っているものは良いのだからもったいないじゃない。