3.木造の宿 凌雲閣
11時半頃貸民家を出発して、待ち合わせ場所の松代駅前へ向かった。
パパはyuko_nekoさんたちと合流したら、すぐにここに戻ってくるつもりでいたようだが、私は彼女たち一家がどこも立ち寄り湯せずにまっすぐここに向かっているなら、たぶんまずはどこか温泉へ行くことになるだろうと、とりあえず新しいタオルとガイドブックだけは車に忍ばせた。
駅前について、パパは車を見ただけですぐにyuko_nekoさんたちだと判った。
車種というものを何度見ても、何度聞いてもさっぱり覚えられない私は、yuko_nekoさんとちび姫ちゃんの後ろ姿を見てようやく判った。
「どうも~」と、がっちゃんがこちらに気づいて挨拶してくれた。
昨夜は我が家だけ4人で泊まったあの広い家も、今夜から二晩はyuko_nekoさん、がっちゃん、ちび姫ちゃんの3人を加えて7人になる。賑やかになりそうだ。
出発前にお仕事でひどく疲れて体調を崩していたがっちゃんが心配だったが、栃尾又のラジウムが効いたのか、元気そうだった。
さて、案の定、どこか温泉に行きたいというシチュエーションに。
ここから松之山、近いんでしたっけ? といった話から、パパも「松之山に行くなら貸民家に行かず、先にこのまま駅前から行った方が良い」と、寄り道を勧めた。
ふふふ、こうなると思っていたよ。
早速松之山の情報が載っている雑誌を開く。
昨日行った
ナステビュウ湯の山は大晦日は休館だし、
町営露天風呂の翠の湯は冬季閉鎖。
植木屋旅館は自遊人パスポートで立ち寄り無料になるが、年末年始は除外とのこと。残るは・・・。
yuko_nekoさんは
ひなの宿 千歳が気になるようだ。
確かここはのび太さんが、露天風呂「月見の湯」は12時で男女交代になり午後は男性だったと書いていたような。
「いいのいいの、男性に月見の湯は譲って、いい気持ちにさせといてあげましょ」と、さすがyuko_nekoさんは人間できてる。
しかし残念ながら、電話をして聞いたところ、現在お湯を落としていて立ち寄り入浴不可とのこと。たぶん大晦日だから今夜は千客万来。夕方に備えて今は清掃中なのだろう。
次に選んだのは
凌雲閣。
本に載っている浴室の写真は、松之山の他の旅館に比べて味も素っ気もないタイル張りだし、掛け流しなのも大浴場ではなく小さな家族風呂だけという話だが、風格ある木造建築の外観と、強烈な鏡の湯源泉でつとに知られている有名宿だ。
こちらは快く立ち寄りを受けてくれた。
やはり今夜は満室なので、昼時から3時ぐらいまでに来て下さいということだった。