4.強烈、鏡の湯
浴室は長々と廊下を渡った新館にある。増改築を繰り返したのか、くねくねと曲がっている。
その廊下を歩いているうちに、もう臭ってくる強いアブラ臭。これこそが松之山だ。
脱衣棚にも小さな鏡餅と「賀正」の半紙。
浴室は外との気温差もあって湯気もうもう。
お風呂はとりたてて何の変哲もないタイル張り。湯気のせいもあり窓の外も見えない。
先に入ったyuko_nekoさんが、味見をして「チーズみたい」
うっ、チーズ?
私に苦手な食べ物があるとすれば、それはチーズ。
どれどれと源泉湯口から一口飲めば、
うぎゃ。
昨日の
ナステビュウは、しょっぱくて苦くて渋かった。しかもその味がすごく濃かった。ここまではまだ飲めないことはない。
しかし今日の
凌雲閣は更に発酵してるよ。こりゃ駄目だ。クサヤも入ってる。
塩漬け乳酸菌といった個性的な味だ。
温まり方は昨日のナステビュウには敵わないがそれでも相当なもの。
ずしっ、どしっと来るので長湯は禁物。
灯油臭プラス薬品臭。ここはローソク燃焼系の臭いはしないようだ。
綺麗な緑色のお湯かと思ったが、浴槽のタイルも緑のようなので、どこまでお湯の色かよく判らなかった。
湯の花は茶色いものが少し。
湯上がりはベタベタ肌。
服を着ながら流石にここはベビーベッドの備え付けは無いかと思ったら、とんでもない。脱衣棚の上になんとクーファンが置いてあった。これなら首のすわらない赤ちゃんでも一緒に入れるかもしれない。
さらにこのクーファン、男湯の脱衣所にも置いてあった。素晴らしい。これなら首のすわらない赤ちゃんでも、「パパと一緒にだって」入れるかもしれない。
結局、昨日今日と二日続けて松之山温泉に骨抜きにされてしまった。