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◆がんばれ新潟 雪国のお正月◆1-12


12.これも縁かと上寺湯

 真湯を出て橋を渡らず、はとぐるまかわばたの横を入れば、また点線の道を通って真っ直ぐ熊の手洗湯に近道できるはずだった。
 しかしどうも途中で道を間違えたらしい。
 気が付くと熊の手洗湯ではなく、上寺湯の前に立っていた。
 上寺湯と熊の手洗湯は近いので、当初の予定通り熊の手洗い湯に行っても良かったのだが、どうも上寺湯が呼んでいるような気がする。道を間違えたのも何かの縁。ここは予定を変更して先に上寺湯に入っていこう。

 上寺湯の建物は木造だが新しくてシンプルな感じだ。
 隣にお湯汲み場があり、温泉卵は自由に作って良いが、汲み上げは組員と湯仲間以外禁止と立て札がある。

 ほの白くごくごく薄い濁りがある他はほとんど透明のお湯で、ぬるくさっぱりとしていた。
 他に比べると大人しめのお湯だった。
 ゆで卵の臭いがして、湯の花は白いものが少し。
 一番特徴的なのは湯口で、白い塩のようなカルシウム分と、さらに緑色の苔みたいな析出物がぼこぼこと固まっていた。
 とにかく冬場の野沢はスキー客が多く、どこの共同浴場も満杯だ。


左上と上 上寺湯の外観

左 上寺湯の横にくっついているお湯汲み場。掟が書かれている。




1-13.大混雑、熊の手洗湯へ続く


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