8.一番手、河原湯(かわはらゆ)
野沢温泉にはいくつも源泉があるが、13の外湯のうち8つは麻釜(おがま)から引いている。麻釜の中でも大釜、茹釜、円釜、竹伸釜、下釜と実際の源泉はいくつかあるが、泊まっている
しなざわに近い
中尾の湯が麻釜の茹釜、下釜混合だから、できれば麻釜以外の源泉に入ってみたかった。
地図を頼りにバスで来た道を直進し、朝日屋のところで大湯旅館街と書かれたアーケードを潜る。
何となくごちゃごちゃとした印象のストリートだ。
突き当たりを右折。右手に最初の外湯、
河原湯が見えた。
河原湯は湯屋造りの立派な建物で、屋根には雪がどっかりと重そうに乗っている。
中はもうもうと湯気が立ちこめて、よく見えないくらいだ。
脱衣所と浴室が一体になった作りで、二人ほど先客が居た。
掛け湯をすると凄く熱く感じたが、それは外を歩いてきて冷え切っていたからだ。入ってしまうとちょうど適温だった。
それなのに急に肩胛骨のあたりに火傷をしたような痛みを感じた。何だろうと思えば、ちょうど湯中のその場所に熱湯の注入口があった。湯口は別にちゃんとある。河原湯は確か他の源泉を混ぜてなかったと思ったが、どうしてこんな作りなんだろう。ちょっと不思議。
少し黄色がかったお湯で、とにかく湯の花が凄い。白い筋状の湯の花に、乾いた血のような濃い紫の羽毛のような湯の花か絡まっている。色が二色なだけで強烈だが、またその大きさたるや、大人の指の長さよりはるかに長いものもある。そんなのがうようよと漂っているのだ。
臭いは強いゆで卵の臭いで薬のような苦い感じの臭いもある。
よく温まったと思ったが、服を着て外に出たらやっぱり寒かった。
さあ次へ向かおう。