6.麻釜(おがま)
馬曲温泉であれほどのんびり時間をつぶしたにも関わらず、まだチェックインには早すぎた。
馬曲から
野沢温泉までは30分かかるかかからないか。
今夜の宿は
野沢温泉の四季の宿しなざわというところ。
温泉街の本当に入り口、中尾のバス停を過ぎてすぐ左手だ。
本当は外湯巡りにも便利な中心部に泊まりたかったが、予算などを勘案してここに落ち着いた。しなざわからも外湯の一つ、
中尾の湯は近い。
1時半だったので中尾は行きすぎて車で中心地へ向かってみた。野沢の中央ターミナルを過ぎて、右前方に大湯旅館街のアーケードが見える辺りから道が目に見えて狭くなる。
そこを左へ入って道なりに進むと、麻釜(おがま)へ出た。
「掟 組員及び湯仲間以外の汲み湯を禁ず 野沢組惣代湯仲間」と札が立っている。野沢には「組」と「湯仲間」という温泉を守るグループが存在するのだ。
麻釜から先へは進めなかったので、駐車場でUターンして住吉屋の横の道を下る。住吉屋というのはのらくろで有名な田河水泡が定宿にしていたことで知られる。
何をするでもなく再び中尾地区に戻ってきて、2時になったところで宿に入らせてもらった。