6.夜景はいずこに?
いいかげん子供たちに付き合っていると寒くなってきたので、まだ遊びたいというカナとレナの意見は却下し、あがることにした。
休憩室に行くとパパがネギトロをつまんでいた。
「お風呂も入ってきたの?」と聞かれて、プールだけだよと答える。だから寒くてしょうがない。体を少しでも温めようとモツ煮を注文した。子供たちにはポテトフライ、ケチャップ増量でお願い。
スカイテルメは休憩室でも食事が注文できる。
食べても寒気は止まらなかったので、すぐにお風呂に入ることにした。
パパはここのお風呂は塩泉らしくよく温まるよと言ったので期待している。
またまた初日の
小野上村温泉センターの時と同じでカナはパパと行ってしまった。パパももう一度入ると言ったので。
まあ、パパと一緒に入れるのはあとわずかだ。仲良くしてもらいましょう。
残されたレナの手を引いて女湯に向かった。
意外にここは脱衣所にベビーベッドの備え付けが無かった。今日の昼間に入った
山本館には不釣り合いな最新おむつ替えシートが付いていたのにもびっくりしたが。
思ったより脱衣所も浴室も広くない。
リバートピアぐらい広いところを想像していたからこれもまた意外だった。
ここの温泉は臭いに特徴がある。
建物に入ったとたん石油っぽい臭いを感じたが、お風呂に入るともうぷんぷん。石油というよりもっと刺激のある・・・そう、シンナーの臭い。
シンナー臭い温泉というのも凄いな。入浴してらりっちゃう人とかいないだろうか。
アブラ臭のする温泉はぬれたまま腕をこするとぬるぬる感があることが多いが、ここはあまりそういうことはない。油分というのは臭いの強さだけでは計れないものなのか。
黄色みのあるお湯で、塩分の濃さを感じる。
レジオネラ菌対策で、ジャグジーなどは全て停止させていると張り紙があった。なるほど内湯はいくつかの浴槽に分かれているが、全部ただのお風呂。最初はきっと違ったのだろう。そして浴槽には循環設備が備わっているが今はストップさせて掛け流しにしている、そんな感じだった。
佇まいはどうにも癒されない雰囲気なのだが、お湯は確かに良い。
露天風呂は雨が降っていたのでみんな屋根の下にいた。
せっかく地上15メートルを売りにしているのに、どういうわけか浴室からの展望はまるでなかった。露天風呂も内湯の窓も全部ガラスの下半分に目隠ししてあって、何も見えないのだ。リバートピアや
ユートピアでもそれは感じたが、なんてもったいない。何のために高い場所に浴室を備え付けているんだろう。何か手を打って外が見えるようにしてほしい。せっかく夜景を楽しみにしていたのにこれじゃあんまりだ。