12.その4 千代の湯
というわけで、ちちやを後にした。
次に目指すのは
瑠璃の湯か地蔵の湯。
しかし地図を縦にしても横にしても現在地がよく判らない。
山本館と白旗の湯は判る。ちちやは出てない。もうちょっと先へ行ってみれば判るかな。
目の前に大東館があった。ということは大東館と湯元館の間の細い道を入れば地蔵の湯への近道になるはず。
細い道、細い道・・・これかな?
本当に細い道で、自転車が通るのがやっとぐらい。でもいきなり工事中で通行止めの表示有り。もう一本先の道へ行こう。
湯畑横の急坂を降りて右へ曲がり、日新館の少し先に今度は
千代の湯があるはず。
ここも
白旗の湯、
地蔵の湯と並んで無料配布の草津マップに大きく掲載されている。白旗の湯ほど混んでいるとは思えないけど、凪の湯のようなわけには行くまい。
ちょっとこの通りは数寄屋作りの雰囲気のある宿が建ち並び、最近の鉄筋コンクリートとは一線を画している。
その中にとけ込むように千代の湯はあった。
ここは今も湯治用の時間湯を行っているので知られている。時間湯のための浴室は一般客の浴室とは別で、誰でも使えるわけではない。
入り口を開けると通路があり、右が男湯、左が女湯、正面が時間湯となっていた。
下足箱にはやはり数足の靴が入っており、やっぱり少し混んでいるようだ。
脱衣所に4人、浴室に3人先客がいた。
何故か浴室の客は湯に身を沈めてはおらず、深いわけでもないのにみんな立って入っている。どうも熱いので肩まで長く入っていられずそんなポーズになるらしい。
熱いと言っても
凪の湯とは比較にならない。関の湯や白旗の湯より熱いというくらいで、入るのに躊躇するようなレベルではなかった。それとも立て続けに入って体が馴れてしまったのだろうか。
ここでは分析表は見あたらなかったが(見落としたのかも)、takayamaさんに後で教えてもらった。湯畑源泉だそうだが、ずいぶん関の湯と印象が違う。
ほとんど透明に近いが少し緑に濁った感じがある。酸っぱ渋くて臭いは薄い。足を入れるとぴりぴりちりちり強い刺激があり、入っているとやがてそれらが肌にじわっと浸透してくるような感じだ。
意外によく温まる。
ここで時計を見たら4時半を回っていた。
まだもうひとつぐらい行かれるだろうか。
煮川と地蔵に行きたいけど無理だろうか。
とにかく今のところ泊まっているリゾートマンションからひたすら道を下ってきている。遠くへ遠くへと来ているし、これだけ下ったら帰りはひたすら登り道になる。果たして体力、保つんだろうか。