子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★☆☆☆☆ 泉質★☆☆☆☆ お湯は結構熱いので無理して子供を連れて行かなくても。
- 設備★☆☆☆☆ 雰囲気★★★☆☆
子連れ家族のための温泉ポイント
草津温泉には19の外湯(共同浴場)があるが、その中でも最も有名で、かつ最も便利な場所にあるのがこの白旗の湯だ。
何より、草津温泉に白濁したお湯のイメージを持っている人も多いので(実際には濁らないお湯の方がずっと多い)、泊ったお宿のお風呂が透明でも、ここに来れば感激する。
白旗の湯はいつ来ても、だいたいすりガラスのような神秘的な青白い濁り湯で、その使い込まれた木造の佇まいや、窓の形やガラスの洒落た雰囲気と併せて観光客に大人気だ。
だからもし、誰か初めて草津温泉に来た人を連れて行くとして、共同浴場で一ヶ所しか入れないとなったら、迷わずここに連れて行くと思う。
白旗の湯は有名なところだが、そんなに広いわけじゃない。
脱衣所と浴室が部分的に仕切りはあるものの一体になった作りなので、湯気がふわふわと入り口辺りまで流れてくる。
夜遅い時間にも関わらず四人ほど先客がいた。
かこーん、と桶の音が響く。
客層は地元の方半分、観光客半分というところだろうか。
脱衣所の床はかなりぬれていて、脱衣所と浴室が繋がっている構造上致し方ないのだが、ここだけは残念に思った。
お風呂は木造の浴槽は横に長く、途中で部分的に仕切って、大小に分けてある。
そして仕切りの部分に湯口があり、湯量を調節できるよう、木の板がはめてある。板を外せば十字になっている溝を通り、左右の浴槽及び湯船の外にも直接湯が流れる。そうすると浴槽に入る湯量が減るからお風呂は少し冷めてぬるまるという仕組みだ。
今は木の板がはめられて、お湯は全て左右の浴槽に均等に流れ込むようになっていた。
左右は浴槽の広さが違う。
だから同量の源泉が流れ込めば、小さい方の浴槽は熱くなり大きい方の浴槽はぬるくなる。
臭いも味もここはアルミニウムを強く感じる。硫黄の臭いは少し。渋みよりレモンのような酸味が強い
お湯は青白かった。
綺麗な濁り湯になっていて、身を沈めるともう手足も見えなかった。
最初はぬるめの大きい方のお風呂に入った。
ぬるめと言っても草津の湯。普通に考えたら十分に熱い。
それでも熱い湯に馴れた体には物足りないぐらいだ。
隣の小さい浴槽は地元の女性が一人黙って浸かっている。
やがてその人が上がると、観光客らしい若い女の人が掛け湯を終えて熱い方に足先を入れた。
ちょっと躊躇した後、全身をひたす。
しかしやっぱり熱かったとみえて、10秒もしないうちに上がってしまった。
・・・。
うん、やっぱり熱い。
体感温度は実際のお湯の温度だけでなく、入り方や湯を適切にもんであるかどうかなど様々な要因で変わってくる。
だから共同浴場で熱く感じたからって簡単に何度のお湯までなら入れるとか一概には言えないのだが、それでもここは熱いと感じた。
飯坂温泉でも鳴子温泉でもけろりとしていた私だから、熱いと感じたのは久しぶりだ。
お湯がちりちりと皮膚をつつき、じんわりと末端の血管が開き、それからやっぱり膝下が痛み出した。
湯船から見て脱衣所側にレトロモダンなステンドグラスがはまっている。
ここは草津、白旗の湯。
紅葉も落ちた晩秋の夜に、絶え間なく湯の音が響くほの暗い湯どころ。