草津温泉 御座之湯

湯畑前の公共日帰り温泉 湯畑源泉と万代鉱源泉の二種類が楽しめる

  • 所在地 〒377-1711 群馬県吾妻郡草津町大字草津421 TEL 0279-88-9000
  • 泉質
     ・湯畑源泉 酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型)(低張性酸性高温泉)
     ・万代鉱源泉 酸性-塩化物・硫酸塩温泉(低張性酸性高温泉)
  • 公式サイトURI http://gozanoyu.com/
  • 設備等 男女別内湯、大広間休憩室など
  • 入館料 大人 600円、小人 300円
     大滝の湯西の河原露天風呂・御座之湯がセットになったお得な「ちょいな三湯めぐり手形」あり
  • 営業時間 7:00~21:00(最終入館は20:30まで)季節によって時間変動あり
  • 休館日 年中無休
    ※ 外出(草津温泉散策)用の浴衣レンタルサービスあり
お得情報草津温泉湯めぐりに便利な草津温泉共同浴場マップも併せてご利用下さい

[2014年8月のデータ ただし料金・営業時間は2015年4月のデータ]

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  • 温度★★★☆☆ 泉質★☆☆☆☆  草津にしてはぬるめだが、基本的に刺激のある泉質。
  • 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★☆☆ 休憩室あり

草津温泉 御座之湯 体験レポート

草津温泉御座之湯の外観 草津温泉御座之湯の二階
御座之湯の外観と館内。画像は両方ともクリックで拡大。

 草津町長 黒岩信忠の掲げた湯畑再生計画「湯源湯路街」の一環として、2013年4月に草津温泉街の中心、湯畑上流にオープンした日帰り温泉が御座之湯だ。
 その昔、湯畑周辺に点在した五つの共同浴場 御座之湯、綿の湯、かっけの湯、滝の湯、鷲の湯のひとつ、御座之湯の名を復活させた。

 御座乃湯の御座の由来だが、日本武尊が東国征伐の帰りに湯けむりを発見し湯に浸かった時に腰を下ろした石を御座石と呼んだとされているが、一方、源頼朝が座った石を御座石としている記述もあり、そもそも室町時代以前に草津温泉は発見されていなかったという説もあるようだ。

 草津温泉で日帰り入浴しようと思った場合、もちろん立ち寄り可の旅館も数多くあるが、通常は日帰り専門の施設か外湯(共同浴場)を利用するパターンが多いと思う。

 外湯は19あるが地元の人の生活の場でもあり、キャパシティは狭くシャワーや鍵付きロッカー、休憩室などの設備は無い。
 そうすると日帰り温泉施設という選択肢が残されるが、その中でも大滝乃湯西の河原露天風呂、そしてこの御座之湯の三ヵ所が草津町が関わって作った大型の公共日帰り温泉ということになる。

 大滝乃湯は何より広い駐車場がある。そして食事処も休憩室もある。お風呂自体も大浴場から露天風呂、貸切風呂まで何でも揃い、温泉好きの間では合わせ湯を体験でき、煮川源泉を使っているという辺りもポイントが高い。
 西の河原露天風呂はとにかくロケーション。広大で開放感のある露天風呂は他の追随を許さない。もうこれだけで十分。

 では新しくできた御座之湯の存在意義は?
 私は湯畑前に作ったことに意味があると思った。
 外観だけでその意気込みが分かる。非常に凝っている。
 さらに湯畑前には代表的な外湯の白旗乃湯が、その他近くに千代の湯関乃湯もあるが、それらとの差別化を図るために、この御座之湯はきっと歴史を感じさせる外観とは裏腹に、中は機能的に多くの観光客を収容できるように作っているのであろう・・・そんな風に思った。

草津温泉御座之湯の受付 草津温泉御座之湯の暖簾
御座之湯の受付と暖簾

 思ったのだが、それはまったくの思い違いだった。
 中に入って感じたこと、それは、「なんて中途半端な!!」だった。

 一番中途半端に感じたのは洗い場が四つしか無かったことだ。
 実はこの御座乃湯は江戸時代から明治時代に実在した当時の湯屋 御座乃湯を再現したもので、歴史のロマンを感じてタイムスリップしたような非日常的な異空間を感じてもらうことがコンセプトとのことだが、それは白旗の湯でも、数年前に建て替えた地蔵の湯でも十分感じられる。
 やはりせっかく湯畑の前に日帰り温泉を作ったなら、せめて洗い場はもっと沢山つけてほしかった。

 旅館の泊り客は近くに無料でかつ歴史ロマンを感じられる外湯があるなら500円の入浴料を払ってまでは入らないんじゃないかと思うし、日帰りで草津に来たお客さんなら洗い場もほしいと思うんだな。
 一応御座乃湯、大滝乃湯、西の河原露天風呂の三ヵ所を巡る「ちょいな三湯めぐり手形」なる料金体系もあるようなので、洗いたい人は大滝乃湯でどうぞということなのかもしれないが。

草津温泉御座之湯 草津温泉御座之湯の休憩室からの眺め
御座之湯の休憩室からの眺め。休憩室の画像はクリックで拡大。

 中は外観同様削った白木の匂いがしそうな板張りの和風建築で、受付周辺は非常に余裕をもったスペースが取ってある。
 浴室の暖簾は受付の正面に掛かっていて、休憩室は階段を上った二階。

 浴室は木乃湯と石乃湯と名付けられていて男女日替わり。今日は木乃湯が女湯になっていた。
 縦に長い浴室で、浴槽も長方形。
 その他に入ってすぐのところに掛け湯槽が、浴室の片側の壁に沿ってベンチ状の座る場所が作られている。
 長細い浴槽を四つに区切ってあるように見えたが、入ってみると源泉を違えた二つの浴槽が隣接していて、それぞれに真ん中に丸太のような木が渡してあるのだった。これはもたれかかって良し、頭を乗せて良しという感じだ。

 手前の源泉は万代鉱源泉。
 奥のもう一つは湯畑源泉。
 両方とも草津では非常に一般的な源泉だ。

 掛け流しであるだけでなく加水はしていないと記載があったが、どちらの浴槽もぬるめでパンチに欠けていた。
 少し酸っぱいにおいが感じられる程度で、特にこれといって強い印象が無い。
 湯畑もさることながら特に万代鉱は酸性が強いことで知られているので、もしどこかに傷でもあれば染みるのだろうが肌にぴりぴりと来る様子も無く意外にマイルドだった。

 ただ、浴室の木の香りは良い。丸太に頭を乗せていると、ああやっと休日でここは草津だという実感が湧いてきた。

草津温泉感謝祭の温泉女神様
御座之湯と草津温泉感謝祭の女神様。画像はクリックで拡大。

 ちょっとぶつくさ言ってしまったが(たぶん期待が大きかったせい)、二階の休憩室からの眺めは良かった。
 本当にただの畳敷きの広間なんだけど、窓辺に腰を掛けて涼んでいると眼下に湯畑が見渡せて、最高の立地だと思う。

 訪問した日はたまたま草津温泉感謝祭で、幸いにも私たちは温泉の女神様が献湯した直後のご利益風呂に与ることができた。
 どうぞご利益がありますように。