6.旅の終わりに
その一方で思い起こせば、今回は予定が狂いまくりの旅だった。
どうしても入りたかった吹上温泉峯雲閣や、須川高原温泉にはついに縁が無く、もしかしたら入れるかもしれないと思っていた泥湯温泉や秋の宮温泉にも入れなかった。そういえば吹上間歇泉の露天風呂にも外された。
その代わりに、入るとは予想していなかった
大湯温泉阿部旅館や
駒の湯温泉に入ることができたし、鳴子では屋代さんの案内で
旅館すがわらのお湯と出会えた。
行こうと決めていて、予定通りに行かれたのは
川原毛大湯滝。
行きたいと思っていて、でも直前まで半分あきらめていたのは
羽根沢温泉。
山形では梨狩りをしたかったのに葡萄狩りになってしまった。でもその葡萄はとても美味しかった。
何より、一足早い紅葉を探しに行ったのに、実はほとんど紅葉を見ていないじゃないか。これじゃタイトルに偽りありだ。
日、一日と深まる秋。このところの冷え込みで、今頃栗駒の山の上では紅葉がゆっくり下界へ向けて降りてきているのではないだろうか。
仕方が無い、今年の秋が終わる前に、今度は群馬で紅葉リベンジする計画を立てよう。
やっぱり東北は好きだ。遠いから何度も行かれないけど、でもまたいつか必ず再訪したい。
山も町も人も湯も…。
帰り道、堰を切ったように雨が降り始めた。一年前の東北の旅もそうだった。締めくくりはいつも雨。
もう何もかも終わっちゃったからいくら降ってもいいよ。
だから次に来るときはきっと青空で迎えてね。
必ずまた、やって来るから。
道の奥のそのまた奥へ…。
おしまい