子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質☆☆☆☆☆ 湯温は温めだが、傷などあるととてもしみる泉質なので子連れは注意
- 設備★☆☆☆☆ 雰囲気★★★★☆ 子連れで行かれる野湯だが、それなりに上級者向け
子連れ家族のための温泉ポイント
子連れで川原毛温泉の企画を立て始めたのはいつだったか。二人の娘を連れて全国あちこちの温泉を巡ってきたけれど、そろそろ上の娘も「温泉ばかり入っていてもつまらない!!」とはっきり言うようなお年頃になってきた。
そこで考えたのが、遊びながら入れる温泉。
ふだん温泉では、大きな声を出したりお湯を掛け合ったり潜ったりしてはいけないと教えているが、いくらはしゃいでも大丈夫な温泉(但し潜るには適さないと思うが)、そこなら家族全員で満足できるのではないかと考えたのだ。
季節は9月後半。かなり肌寒く長袖の上にフリースを重ね着するような気候。ときおり小雨もぱらつく日に、吹上高原キャンプ場から川原毛大湯滝に向かった。
初級の沢登り技術を要するという北海道のカムイワッカなどと違って、川原毛大滝湯は楽だ。きちんと遊歩道が整備されている。遊歩道というくらいだから子供でも歩ける道と言うことだ。危なそうなところには手すりもついているし、急なところは全部階段がつけてある。ただ、ところどころ手すりが壊れていたり、道が崩れていたりするので注意は必要だが。
3歳の娘でも時間はかかったがほぼ自分で歩いて降りられた(登りになる帰り道は抱っこした)。
しばらく歩いてやがて一気に下りの階段が見えてきた頃、滝のほうから喚声が響いてきた。
こんなに寒いのに物好きは沢山いるんだなと一番下まで降りると、こりゃすごい、二本大きな滝が落ちていて、その滝つぼで何人か入浴している。ほとんどの人は水着姿のようだ。甲高い声を上げていたのは若い女性二人組みだった。
滝つぼから流れ出たお湯はさらに先へ流れていく。その川に掛けられた板を渡しただけの橋を渡り、対岸をちょっと登ると脱衣所の建物があった。
子供たちを連れてそちらへ向かえば、きゃあきゃあ騒いでいた女性たちがちょうど上がるところだった。寒い寒いと両腕を組み震えながら小走りで脱衣所に飛び込む。
子供たちも川で遊べることを期待して下ってきたので、寒い寒い、足元が土がつくと騒いでいる二人を水着にする。パパは一人、先に滝つぼへ行ってしまったようだ。地面を歩くなら靴を履くという二人を無理やり裸足にさせて早速降りてみた。
流れているところに手を入れてみる。温いけど入れないほどではない。先に入っていたパパが長女を連れて行ってくれたので、次女の手を引いて進んだ。途中でおそろいの赤ふんどしをした男性二人が記念撮影をしてほしいとカメラを渡された。うーん仁王立ちが似合う滝つぼだ。
ところがさあゆっくり入ろうと思ったのもつかの間、先に入っていた長女が泣き出した。痛い痛いと言うのだ。この滝の湯は酸性泉。傷などあるとかなり沁みる。入っていれば逆に治るよと言ったけど聞かない。わんわんと泣き出す。こりゃ駄目だ。
しばらく待っても二人が戻ってこないので、あきらめて出ることにした。
うわあ、寒い。結局酸性泉だからあまり温まらないのだ。元々いつの季節に来てもそんなに熱いお湯とは思えないから、ベストシーズンが夏だけというのは、つまり上がった時に寒くないのが良い季節だということなのだろう。
とても寒かったので、冷えた体はその後、大湯温泉阿部旅館で温めて帰った。
簡単に遊歩道を歩いてアクセスできるワイルドなお風呂としては素晴らしい場所だと思う。ただ我が家としては、季節を外したこともあってか、快適には程遠い入浴となってしまった。 子連れはもっと暖かい日に来ないと駄目だね。