子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★☆☆☆ 泉質★★★★★ 湯温はちょっと熱め、滑るお湯なので子連れは注意
- 設備★☆☆☆☆ 雰囲気★★☆☆☆
子連れ家族のための温泉ポイント
2022年1月のレポートの下に2003年9月のレポートを表示する。
2003年に子供たちと来たことがある羽根沢共同浴場を2022年に再訪した。冬なのでとっぷり雪が積もっていた。
場所は「羽根沢地区 多目的集会所」の1階。入口は建物正面から見て、右側に回ったところにある。
近づくと自動で感知して、入浴料を伝える音声が流れるようになっているので、外観写真を撮ろうと位置を変えるたびに音声放送を鳴らしてしまった。
そして料金箱に300円投入すると自動で共同浴場の鍵が開くようになっている。なるほどこれなら管理人がいなくても安心だ。監視カメラもあるらしい。きっと建物の周りで写真を撮りまくる不審な私がたくさん写ってしまったに違いない。
料金を投入して開いた建物の中に男女それぞれの入り口がある。浴槽はシンプルな長方形。
お湯は記憶にある通り、オイルを塗ったみたいにぬるぬる~。華やかな石油臭で、においはこの時に泊まった加登屋と日帰りで入った松葉荘より強く感じたが、ぬるぬるぶりはここが一番穏やかだった。
湯口にオレンジ色のミカン用ネットみたいなのがかぶせてあって、白い湯花が大量に捉えられていた。
しばらく入っていると地元の人がやってきて「どこから?」と聞くので「東京から」と答えたら、「なら泊まり?」「はい、加登屋さんに」という会話になって、加登屋に泊まるのにここ(共同浴場)に入りに来たの?と驚かれてしまった。
なんならさらに松葉荘に日帰りで入ったと言ったらもっと驚かれそう。
「10年前にこの共同浴場に入って、次は泊まりで来たいと思ったので今日来ました」と言ったら、「何もないよ」と笑われた。感じが悪い「何もないよ」じゃなくて、苦笑しながらの「何もないよ」。
そして「ここに入ると湯冷めしないからいつも来ているのよ」と。
いや、全然何もなくないですから。来てよかったし、ホントいいところだと思います。
以下、2003年9月に子供と来た時のレポート
山形に来るなら、どうしても入ってみたい温泉があった。
驚くほど肌がつるつるする不思議なお湯があるという。
どんな風につるつるするのだろう。美肌の湯にもいろいろあって、湯上りの肌がローションをぬったようにしっとりするもの、蝋を引いたようにすべすべするもの、パウダーをはたいたようにさらさらするもの、千差万別だ。
ここのはベビーオイル系だった。
何年か前のテレビCMで、ジョンソンのベビーオイルを湯上りの肌にぬるとしっとりするというのをやっていた。肌についた水滴をぬぐわず、そのままぬるというのだ。結構面白い肌触りで、当時せっせとやってみた。まさにあれだ。わざわざオイルをぬらなくても、ここは入浴するだけでいい。それだけで肌はぬるぬるつるつるすべすべだ。
羽根沢温泉は日本石油が石油を掘る目的で掘り当てた温泉だという。羽根沢という印象的な名前は、矢に使う鷹の羽を献上した由来から。
途中の道にも「美人湯」の表示がある。
さっきまでいた鳴子辺りで見た感じの、かなり古びた旅館が何軒か道の両側に並んでいた。確か共同浴場があったはず…と思って、中心地と思われる駐車場に車を停めて、通りかかった岡持ちの人に尋ねてみたら、駐車場の目の前に羽根沢温泉集会所と書かれた建物が建っている、その下だと教えてくれた。
集会所と川との間に細い道があったので、歩いて様子を見に行くと、あったあった集会所の建物の一部のような感じで、小ぢんまりとした共同浴場があった。入り口には大人200円、子供100円と書かれた料金箱があり、出入り口からして男女別。ドアを開けるといきなり小さな脱衣所、そして薄暗い小さな浴室へと続いている。
200円を入れて、脱衣所に入る。先客が一人いらした。入らせてもらってよろしいですか?と声をかけて浴室に足を踏み入れた。
不思議な淡い甘い臭いがする。掛け湯をすると思ったより熱くなかった。かなり熱い湯なのではないかと想像していたのだ。今朝、鳴子温泉の滝乃湯に入ったから特にぬるく思えるのかもしれない。
とろとろとしたお湯で、入り口から見たときは浴室が暗いので黒っぽく見えたが透明らしい。湯面の臭いは癖になりそうなオイル臭で、湯口の辺りでは少しゆで卵の臭いもある。味はお茶漬け風。
けれどやっぱりここのここたるところは、肌触り。お湯の中で特ににゅるにゅるすると言うわけではないが、湯から出て腕などをなでると、すごくぬるぬるする。これは、にゅるにゅるではなく、本当にぬるぬるなのだ。面白い。
そそくさと出る私に、先客の地元の方は「もう出ちゃうの?まだあったまってないんじゃない?」と(山形弁で)仰った。
既に朝、鳴子で入浴してきて、今、車で子供たちが待っているという事情を伝えると、笑って「どこから来たの?」と聞かれた。
「東京からです。どうしてもここのお湯に入りたくて」
「ここはいいよぅ、一番いい温泉だよ」
うん、地元の方が自信を持ってそう仰る温泉、それこそが日本一。