7.お風呂上りの四万散策
上がったらパパは「すごくいいお湯だった」と言った。
おや、気が合うのね。
四万温泉でいくつか入ったけど、ここが一番気に入った。
今日は予定にふられてばかりだけど、このお湯に会えたら、もう満足。
駐車場から車を出して真っ直ぐ行けば奥四万湖のダム。
暖かい季節に来れば、ここには
こしきの湯という町営日帰り温泉もある。
さて、お蕎麦を食べに行くにはまだ少し早いが、とりあえず荻橋のところまで行ってみよう。車が停められるかどうか判らないし。
幸い今回も一台分だけ空いていた。
このまえここに来たときは雪景色だった。とてつもなく寒くて、
山口露天風呂に入る前はかちかちに凍えていた。今日は暖かい。ぽかぽかと陽が差している。
橋の袂の
河原の湯の周りに沢山観光客がいる。混んでいるのかな。
ここは新湯川と四万川が合流するところ。
川には橋状に巨大なタイルのようなコンクリートが渡してあるからそこを歩いてみようか。
透明な水。轟々と流れていく。
それから先日飲泉した
四万たむらの飲泉所で温泉を飲んで、隣の高田菓子舗で温泉まんじゅうを購入。
カナは菓子屋の店先で動くまんじゅう売りの動く人形に興味津々。
のんびり落合通りへ向かったが、いつもながらレナは思うとおりに歩いてくれない。立ち止まったり、車道の方へふらふら出たり、こっちはいつも気をもみっぱなし。
もうパパとカナはさっさと歩いて行ってしまった。
レナ、頼むからまっすぐ歩いて。
積善館が見える。
レナ、ちょっとあの建物、千と千尋の神かくしみたいじゃない?
レナは朱塗りの橋を真ん中まで駆けていって、この辺にカオナシが立っていたんだよね、と言った。