6.帰りがけに、つま恋温泉
帰りがけに、行きに見つけた
山田屋温泉旅館に寄った。
ぽつりとある一軒宿なのかと思っていたが、建物が立ち並ぶ中にあった。
小奇麗な外観。旅館の建物の前に数台停められる駐車場があるが、どれも宿泊者専用の立て札がある。道を挟んだ向かいにも駐車場があるのでそちらに停めて受付を済ませることにした。
大人500円、3歳から小学生まで400円。ついでに今日は休日で土日は100円増し。大人料金は普通だが、子供料金は割りと高めだ。大人土日料金の600円×2人分はクーポンで無料だが、子供たちの分だけで1,000円飛んでしまった。
何でもこれから大型観光バスが着くので、車を移動してほしいと言われる。宿泊者専用の駐車場に車を移した。そんな大型バスが入るような旅館には見えなかったので意外だった。
男湯と女湯は隣同士ではない。廊下を通って右に女湯、男湯は左折してその先。見える景色が違うのだろうか。
全部脱ぎ終えてから子供たちがトイレ!!と言う。
しかもここは脱衣所にトイレがついていない。仕方ない、もう一度服を着て…子供たちはタオルをまいたままでいいか。カナはバスタオル巻き、レナはてぬぐいを腹掛けにした。トイレは脱衣所を出てすぐ隣だった。
地元の方が一人、入浴中だった。
カナとレナが入って行くのを見て、「こんなちっちゃい子でも500円取るんでしょ、高いわよねぇ」と話しかけてくださった。何でも地元の高齢者は役場で札を購入すると、年齢に応じて格安で入浴できるのだそうだ。おばあちゃんは毎日のように入りに来ているという。
「沢渡では困ったわ」
と、突然
沢渡温泉の話になる。
沢渡というと、温泉病院がありましたっけ?
「そう、毎日温泉に入れると思うでしょ。軽ければ入れるんだけど、重いと週二日しか入れないの。それに運動させられるのよ、毎日外を歩かされるの」
あそこは坂ですものね。
「そうなの、あの坂をね、川まで歩かせられるのよ」
ちゃんとしたリハビリテーションの一環なのだと思うが、確かに近所につま恋温泉のようなところがあるなら、沢渡まで行かなくてもいいかもしれない。
お湯は濁った緑色。膝まではうっすら見えるが、足の先は見えない濁り具合。
臭いを嗅ぐと、今朝入った
半出来温泉の油臭とは違い新鮮な鉄臭。ということは、この色は炭酸鉄系かしら。飲んでみると確かに鉄入りの気の抜けた炭酸飲料のような味。色と臭いと味、傾向としては
平湯温泉平湯の湯か今や伝説の埼玉の
清河寺温泉と同じ。
温度は熱すぎず温すぎず誠に適温。元々源泉温度が42度とばっちりそのまま入れるのがいい。加熱したり薄めたり冷ましたりの必要なし。
湯口には石のタヌキが寝そべっている。