子連れ家族のためのポイント
- 温度★★★☆☆ 泉質★★★★☆ 温度はちょっと熱め
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★★☆ 脱衣所の長椅子で赤ちゃんなど脱がせたりできる
子連れ家族のためのポイント
平湯温泉の平湯神社の縁起にはこう書かれている、「白猿によって発見された秘境平湯温泉」と。
ときは永禄。武田信玄と上杉謙信が争っていた時代だ。武田の軍勢が安房峠を越えようとしたとき、疲労と焼岳の臭気に悩まされ、兵たちが次々と倒れた。そこへ白猿があらわれ、導いた先が平湯温泉だった。武田軍は平湯の源泉で英気を取り戻したとされている。
その平湯神社の隣にあるのが平湯民俗館だ。
到着直前まで地図を見ていて気がつかなかったが、車を降りてみたら景色に見覚えがあった。ああ、この道をもうちょっと上ると共同浴場「神の湯」があるんじゃない?、と私が言うと、夫は、そうだよ、道に表示が出ていたと言った。
そういえば昔一度だけ平湯に泊まったことがあるのだ。温泉が好きになるよりもっと前のことだ。友人たちと女性だけのグループで平湯温泉のやまと館に泊まった。そのとき歩いて神の湯に来た。こんなに雰囲気のある立ち寄りの共同浴場に入ったのは初めてで、お湯のことはよく覚えていないまでもロケーションに感激した。平湯にはそんな思い出がある。
民俗館は茅葺屋根の民家が二棟あり、広さはさほどでもないが、借景の山と併せて非常に絵になるスポットだ。この地方で教職に着き、若者の指導にあたった篠原無然の記念館などが併設されていた。
この敷地の一角にお風呂がある。右の画像は男湯の入り口。紅葉や小さな池などあり、脱衣所の建物も雰囲気がある。ちなみに民俗館の入館料は、お風呂込みで500円、お風呂無しだと300円だ(訪問当時の料金設定)。
…考えてみれば民俗館とお風呂のセットって言うのも面白い組み合わせだ。さすがは湯量豊富な平湯温泉。
こちら女湯。
沈んだ緑色の濁り湯だ。ちょっと熱め。それほど深くない。ガイドブックには鉄分を含んでいるという記載があり、どんなお湯なのだろうと思っていたらこれがとても良かった。
私は青森の黄金崎不老ふ死温泉に入って以来、鉄分を含む温泉は苦手なのだと思い込んでいた。だってあの温泉に入ったときは錆くぎみたいな強烈な臭いがいつまでも抜けず、頭がくらくらしちゃったから。ホント、三日も抜けなかったんだよ(その間、他の温泉にも入ったのに)。
ここのは違う。新しいぴかぴかの鉄をこすったときほんのり臭うような感じ。これならOK。
それにちょっと飲んでみてびっくり。予想していなかった味がした。
ちょっと甘めの炭酸だー。思わず顔がほころんでしまう。しゅわしゅわ感は無い。私の大好きな群馬の上増田温泉砦乃湯にそっくりの味。
かなり意外な温泉だった。これはお気に入り。
湯口の辺りは鉄分で岩が茶色く変色している。お風呂の回りも木々に囲まれていて森林浴しながら入浴できる。とても気持ちの良いお風呂だ。
お風呂上りには、外の木の枠に花や野菜を入れて水を流しているところで、茅葺屋根など見ながら喉を潤すことができる。
夫はここでビールを買ったら、水中で冷やしてあるトマトを一個食べていいよと言われ、サービスで頂いたそうだ。
この頁をまとめるにあたって平湯の湯の泉質を知りたいと思い、平湯温泉旅館協同組合に問い合わせをさせていただきましたところ、迅速で丁寧なお返事を頂くことができました。ありがとうございます。