子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★☆☆☆☆ 泉質★★★★☆ 野沢のお湯は全般的に熱い
- 設備★★☆☆☆ 雰囲気★★★☆☆
子連れ家族のための温泉ポイント
野沢温泉のランドマークである麻釜から、坂を下りないで道なりに登っていくと、突き当りに木造の外湯が見えてきた。
滝の湯。
大湯、河原湯と同様、それぞれ外湯ではここしかない源泉から引いている。
町の中にあったその二ヶ所と違い、ここの湯小屋は背景が雪山で建物は似通っていてもまったく違った風情があった。
浴槽や壁のタイルが古びていて昭和のにおい。
特に壁の色あせたような薄いピンクのタイルが古い木造の家の水場にいかにもありそうで郷愁を誘う。
滝の湯のお湯は緑色だった。
なかなか久しぶりにこの色を見たような気がする。濁ってはおらず、透き通ったエメラルドグリーンだ。
緑の温泉は苦い。ここも苦みが非常に強く、ゆで卵の臭いより薬っぽい苦みの方が先に立つ。色といい熊の湯温泉を彷彿とさせた。
肌触りもするすると滑る。この滑る感触が野沢温泉の外湯の中でもここは特に強い。
タイル張りの浴槽は適温で、湯の花の量も多い。消しゴムかすの小さいような白い湯の花と、もう少し大きいものは核が白く縁取りが黒っぽい紫だ。どうも野沢の外湯というのはどこも湯の花が自己主張している。
この白黒パンダの湯の花が面白くて、数年後に家族でスキーに行った時は子供たちを連れて訪問してみた。
「熱ーい」
温度を見て小学生の次女が悲鳴を上げる。
確かに熱い。
前日に来た時には私の前に子連れが入っていたこともあってかなりぬるまっていたが、今日は野沢温泉の本領発揮、熱湯風呂になっている。
ちょうど他のお客さんがいないのを良いことに、少し加水を増やしてみた。
加水仕切らないうちにと思い、自分は入る。
ああいい湯だな。
昨日とは違って染みいるような感じ。
でも同じ熱くても真湯のドスンと来るようなパンチは無い。こちらの方が優しい感触。
お湯の色は昨日と同じで透明なエメラルドグリーン。
今日も白と黒の湯の花はいっぱい。
水が効いてきて入りやすくなったところで子供たちも肩を沈めた。
「ほら、これこれ」
桶に湯の花を集めてやると大喜び。せっせと自分たちも桶や手ですくって湯の花を一か所に集めるようになった。
名付けて湯の花動物園!?
「ここの湯の花、面白いねぇ」
「なんで白いのと黒いのがあるんだろうね」
「ねえママ、どうして湯の花ってできるの?」
「そ、それは、温泉の成分が固まって・・・」←あまり正しい説明では無い
「と、とにかく湯の花があるってことは温泉と言う証拠(湯の花が無いタイプの温泉もあるが)」適当にお茶を濁す。
「この温泉、気に行ったよ」
おおそうかそうか。
「また来たいな」
うん、ママもまた来たい。野沢温泉に来たらまた一緒に滝の湯に入ろう。
緑の色合いが日によって違うので、2021年の画像は文章の途中に挿入せず、この後ろにまとめる。なお2021年時点で野沢温泉外湯のうち、滝の湯のみは野沢温泉宿泊者のみに開放されている(日帰り訪問者は利用不可)。
※ 他の野沢温泉外湯を調べる→野沢温泉共同浴場マップ