田の湯を上がってからスマホに着信があったことに気付いた。夫からだ。
折り返し電話すると、今どこ?と聞かれる。
電話しながら田の湯の通りを出て正面湯のあるメインストリートに出ると、ちょうど正面にうちの車があった。向こうは向こうで私をさがしながら流していて、たまたまここにいたらしい。
湯田川温泉からあつみ温泉はすぐだ。
あつみ温泉も海沿いではない。湯田川温泉よりは海に近いが、温泉街から海が見えるわけではない。
ここは温海川沿いに大小の旅館が立ち並び、雰囲気のある温泉街を形成している。残念ながら桜は全て散り終えていたが、開花の時期なら川沿いの桜並木は豪華で川面に舞う花弁も絵になるだろう。
泊まる東屋旅館はパッと見、一般家屋に旅館らしい玄関部分を付け足したように見えた。入口にどんと一台の車が入っていて、こちとらどこに停めたらいいか、どこから入ったらいいか迷いそうだ。