7時半ごろにようやく駿河屋のお風呂に入った。
どうも草津に来ると共同浴場をあれやこれや回ってしまい、泊る宿のお風呂が後回しになる。
でもせっかく初めてのわたの湯源泉の宿を選んだことだし、ゆっくりと入る時間が取りたい。
駿河屋の浴室は玄関前の廊下沿いに二つある。
男湯と女湯というわけではなく、両方とも入る時に「入浴中」と書かれた木の札を入り口に下げて貸切風呂として使う。
なんとも贅沢なことにこの二つの浴室は源泉を違えており、玄関に近い大きい方の浴室が湯畑源泉、奥の小さい方の浴室がわたの湯源泉となっている。
入り口は離れているがお風呂自体は壁を挟んで背中合わせ。
浴槽や床は石のブロックで、湯口も石。
洗い場の蛇口やレバーが硫黄成分で真っ黒に染まっているのが温泉らしい。
もちろん先に入るのは楽しみにしていたわたの湯だ。
湯畑の方はまた後で。
明日は平日だし、今夜の宿泊客は他にいないようなのでお風呂はいつでもスタンバイ。
清掃したままなのか、入り口のドアが開け放たれ、閉まらないように椅子を置いて止めてあったので、椅子をずらしてそれを閉めた。
入浴中の札を下げる場所がわたの湯浴室の方は見つけられなかったのでドアノブから下げた。
準備完了。いよいよわたの湯入浴。
最初の印象はミルキー。とにかくミルキー。
なんて綺麗な色のお湯だろうと思う。
すりガラスみたいなうっすらとした濁りのある水色。
アルミニウムと硫化水素と酸っぱいにおいが入りまじっているが、特にアルミの金属っぽさが勝る。
肌触りのするすると滑る感じは白旗乃湯にも似ている。
膝が少し染みると思ったらいつの間にか傷ができていたらしい。
熱そうに見えたが温度も適温で入りやすかった。
始めのうちはみんなが言っていたような癒し系とも特に思えなかったが、しばらく入っているうちにだんだん馴染んでくるところが他の草津のお湯と違う。
ああ、これか、癒し系の感じは。
手でかき回すと底の方から粉のような湯の花がいっぱい舞い上がってきた。
綺麗だなぁ。いいなぁ、わたの湯。