部屋に入ったのが午後2時過ぎだったのでめちゃめちゃお腹が空いていた。
若旦那に食事処について相談すると、蕎麦屋で良ければと言って駿河屋から近い蕎麦屋を数件教えてくれた。どこも評判はいいですよと言う。
じゃあ寛ぐ前だけど、さっそく食べに出るか。
あと、パパが車に取りに寄りたいものがあると言うから帰りに駐車場に寄ろう。
そのついでにどこか通りかかった共同浴場に入るのもいいし。
「さっき駐車場の近くに共同浴場一軒あったよね」とパパ。
「ああ、うん、あれは翁の湯だ」
「そのくらいなら付き合ってもいいよ」
でも湯畑を通るなら白旗も入っていきたいな。まあ行ってから考えるか。
ちょこちょこと適当に歩く範囲に共同浴場が点在している草津は、気が向いたらお風呂に寄れるところが好き。
外に出るとやっぱり寒かった。
雪はほぼ止んでいたが、風が強くて身を切るように冷たい。
駿河屋前の西の河原通りは、湯畑方面に向かって歩くとすぐに湯滝通りと二手に分岐する。
パパは左斜め前方の湯滝通りの方に入った。ここは共同浴場の関乃湯のある通りだ。
道の両側にはちらほらと居酒屋がある。パパはこれで夕ご飯には不自由しなくてすみそうだと言った。
蕎麦屋は「あおやま」という店に入った。
昔からあるという雰囲気の作りではなく、むしろ若々しくて洒落た雰囲気の店舗だった。
入口から入るとパッと店内全体が見渡せるようになっていて、客の入りはまあまあ。建物の中に入っただけで風が遮られてホッとする。
流石にあまりに寒かったので蕎麦は冷たい蕎麦と決めている私も温かいのを頼んだ。マイタケのてんぷら付きの。
それから湯の華豆腐というおぼろ豆腐のようなものが美味しそうだったので、それも頼んだ。
隣のテーブルは大学生ぐらいの若い男性グループ、奥は小学生ぐらいの子供連れ家族、子供たちはスキーウェアを着ていて、この季節の草津はやっぱりスキー客が多いなと思った。今日は日曜日だから、遅めのお昼を食べた後は帰る人が多いのだろう。