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鳴子温泉巡り旅

2.ちっちゃな入浴券








巌湯山 常泉寺



 浴衣姿だと9月の早朝は少し寒い。
 新飯坂を出て真っ直ぐ歩くと、どことなく活気のない通りの印象は昨夜とあまり変わらなかった。
 昨夜は中心地目指して途中で左折したが、今朝はさらに直進する。
 旅館でもらった半分コピーのつぶれたような地図では、常泉寺の近く、鯖湖湯に行く途中にもう一軒共同浴場のような印が記載されていたが、実際にはそこには民家と駐車場しか見つからなかった。

 そして6時半、鯖湖湯前に到着した。
 朝早くからやってきた観光客のものか、湯小屋の前には何台か路上駐車の車がある。古くからある温泉街はたいがい同じだが、ここ飯坂も共同浴場用の駐車場は無い。観光会館であるパルセ飯坂という建物の専用駐車場に停めるようガイドブックなどには書かれているが、パルセ飯坂から鯖湖湯までは5分ほど歩かなくてはならないため路上駐車する輩も出るのだろう。
 パパは鯖湖湯に入るつもりだったが、私は八幡湯に入りたかった。
 鯖湖湯は過去二回入ったことがあるので、どうせなら違うところがいい。
 「私は八幡の湯に行ってみてもいい?」
 「待ち合わせはどうする?」
 「・・・」
 「いいよ、じゃあ一緒に行こう」


鯖湖湯周辺の景色



 八幡の湯の場所は判っているから心配なかったが、入浴券を扱っている店の場所と、実際に6時から店が開いて券を売っているかどうかが心配だった。
 しかし八幡湯の斜め前に事務所のような店があり、「鯖湖湯入浴券売捌所・公衆浴場入浴券売捌所」と書かれた札が下がっていたので、開いているか判らないまでもドアを開けてみることにした。
 しかし何で鯖湖湯入浴券? ここは八幡の湯では? それともどの券でも全ての共同浴場に入れるという意味かしら?

 ドアに鍵は掛かっていなかった。ご用の方はと書かれたベルはあったが、奥の部屋にテレビがついているのが見えたので、ごめんくださーいと声を張り上げてみた。
 「はーい」
 すぐに返事があって店の方が出てきた。
 「八幡の湯の入浴券は買えますか?」
 「はい、一人200円です」
 安いよなぁ。この昔ながらの共同浴場をいくつも持っていて観光客にも有り難く開放してくれているというのは、飯坂温泉の本来の強みだと思うのだが、どうしてこうも温泉街自体が凋落してしまったものか。
 ポケットに入れたら無くしてしまいそうなちっぽけな入浴券を手に、早速八幡湯に入ってみよう。



公衆浴場入浴券売捌所



小さなチケット




2-3共同浴場 八幡の湯へ続く


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