子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度☆☆☆☆☆ 泉質★★★★★ 湯は熱め、泉質は問題なし
- 設備★☆☆☆☆ 雰囲気★★☆☆☆ とにかくお湯が熱いので、子連れはせめて鯖湖湯の方が無難
子連れ家族のための温泉ポイント
飯坂温泉では毎年10月初めの週末に、日本三大けんか祭りのひとつ、300年以上の歴史を持つ飯坂けんか祭りこと八幡神社例大祭が執り行われる。
若衆の担ぐ担ぎ屋台同士が勇壮にぶつかり合うもので、この祭りに参加するため、飯坂温泉を離れた町の者たちもみんなこの日ばかりは温泉街に戻って来ると言う。
飯坂けんか祭りを行う八幡神社は平安時代後期、後三年の役で奥州に出陣した源義家が勧請し、以来飯坂温泉の鎮守としてこの地を守護している。
この歴史有る八幡神社の正面にあたる道沿いに、こぢんまりとした共同浴場がひとつある。
名前は八幡の湯。飯坂の観光会館であるパルセ飯坂から、最も有名な共同浴場鯖湖湯に行くちょうど道すがらにあるため、他の共同浴場より目に付きやすい。
そして、観光地化されている鯖湖湯とは違って、地域に密着した外湯としての飯坂温泉を気軽に知ることができる場所かもしれない。
但し、飯坂温泉の湯は熱い。これまた観光客向けに少しぬるめている鯖湖湯とは違うので、八幡の湯ではそれなりの覚悟を。
旅館新飯坂に泊まって、朝風呂に外湯と洒落込んだ。
鯖湖湯には二度ほど入ったことがあるので、今回はその近くのもうひとつの共同浴場、八幡の湯に行ってみようと思い立った。
しかし朝の6時から入浴券を売っている店が開いているか一抹の不安があった。自動券売機を備えている鯖湖湯と違い、飯坂温泉の他の共同浴場では入浴券売捌所の指定を受けた店でチケットを買わなくては入浴できない。
幸い八幡の湯の近くまで足を運んでみると、早朝にも関わらず店は開いていた。
入浴券は一枚200円。
安いよなぁ。この昔ながらの共同浴場をいくつも持っていて観光客にも有り難く開放してくれているというのは、飯坂温泉の本来の強みだと思うのだが、どうしてこうも温泉街自体が凋落してしまったものか。
ポケットに入れたら無くしてしまいそうなちっぽけな入浴券を手に、早速八幡の湯に入ってみよう。
暖簾の下がった入り口から男女別。
入って直ぐに受付があって入浴券を入れる箱が置いてある。
病院にあるような衝立があって、簡素な脱衣所。女湯の先客は二名ほどらしい。
タイル貼りの、いかにも共同浴場らしい佇まいの浴槽だ。
角を丸めた四角形をしていて、中央に湯口。背中合わせに二本のパイプがあってそこからどぼどぼとお湯が出ている。
湯口の下に温度計がついていて、46度を指していた。
お湯は無色透明。すんなりと肌に馴染む。ああいいお湯だ。
石の甘いような臭いは新飯坂のお湯より少し淡いような気がする。
しゃきっと目の覚める湯だ。
先客は桶で湯口の湯を汲んでいるが、両手に桶を持って、二つある湯口両方からいっぺんに汲んでいるのを見て笑ってしまった。
地元の方が仰るには、飯坂温泉の旅館は循環しているところが多い、でも共同浴場は新鮮な源泉をそのままざんざんと掛け流している。自分は自宅のお風呂に入るとすぐに肌が痒くなってしまうけれど、共同浴場に来るとすぐに治る。それも一回入っただけで数日効き目があるとのこと。
その効果満点のお湯に百円玉二つで入らせてもらえたことに感謝。