1.出発までのあれこれ
初日 2006年9月15日(金)
計画は二転三転四転五転・・・七転八倒しまくった。
行く・行かない・泊まる・泊まらない・・・。
泊まるならどこに泊まるの。そもそも何をしに行くの。
だって雨予報でしょ。
台風が来るんだよ。
キャンプ場で何をするの。
雨の中、テントを張って、雨の中、外にも出られず、楽しい? 面白い? 来て良かったと思える?
・・・あっさりすっぱり行かないと決めるには、毎日じりじりと動く天気予報。
決してお日様マークはつかない。
でも三連休の初日はついに傘が外れた。降水確率10パーセント。
くららさんが「行こう」と背中を押してくれた。
嘆息か、後悔か、それとも奇跡を呼ぶか?
兎にも角にも悩みに悩んだ末、午後四時、東北道を北へ向かって走っている私たちがいる。
どうか雨よ、降らないで。
最初に鳴子に行きたいという話が出たのは私と
yuko_nekoさんの間だった。
「何日か休みが取れたら行きたいのは東北なんだよね」という私に、
「東北なら鳴子に行きたいなぁ」とyukoさんが続けた。
それからしばらくして、
さいたま清河寺温泉に
くららさんと一緒に行ったとき、今度一緒にキャンプに行きたいねという話になって、「行くなら鳴子がいいなぁ」とくららさんが呟いた。
示し合わせた訳じゃないのに、キーワードは鳴子だ。
何となく鳴子に引き寄せられている気がする。
えっ、それは気のせいだって?
鳴子に行ったのはちょうど3年前。同じく9月の半ば頃だ。
今回予定しているところと同じ吹上高原キャンプ場に泊まって、さあ鳴子温泉巡り、鳴子温泉巡りと思ったが、結果的には
滝の湯と
旅館すがわらの二ヶ所しか入れなかった。がっくりしょぼんという感じだったがそれはまあ仕方ない。次があるさと思ったものの、長らくその「次の機会」は訪れなかった。
鳴子は我が家にとっては相当遠い。
おまけにどうも、行きたがるのは私ばかりでパパにはとても魅力が薄いらしいのだ。
それだけじゃない。宮城にはもうひとつ祟られている。
とにかく天気に恵まれない。
宮城はまさしく晴れを呼ぶ一家にとってただ一つのウィークポイントとでも言うべきエリアで、過去二回、惨敗を喫している。
二回なんて大した数じゃないと思う無かれ。他の旅行でほとんど雨に当たらないことと、宮城を含む旅行でも宮城県以外の場所では嫌になるほど快晴だったりすることからしても、どういうわけか宮城だけには嫌われ続けているようだ。
ちなみにその二回というのは、さっきも書いた鳴子に行った
栗駒山麓旅行と、もっと前の
北東北を回った旅行のこと。
どちらもざぶざぶの雨が降った訳じゃないが、一度たりとも明るい太陽は顔を出さず、空はずっと重い灰色、ときどき鬱陶しい雨がぱらぱら降っていたっけ。
だから私たちにとって宮城県の印象はずっと薄ら寒いモノトーンのままだ。宜しくない。
そうしている間にも、何だか行く手の雲が増えてきて、小雨がちらついてきたぞ。
やばすぎる。