5.熊の湯温泉とおぶせ温泉穴観音の湯とあけびの湯
「熊の湯、行きたいんだよー」と、がっちゃん。
「えっ、うそっ。熊の湯までの道は相当厳しいよ。峠越えじゃない」と私。
志賀高原の
熊の湯温泉の熊の湯ホテルは奥山田温泉の先、笠ヶ岳の峠を越えて、さらにその向こうだ。
確かにお湯はとっても良いんだけど・・・。
「がっちゃんはね、トレーラー関係の仲間がそっちにいるから行きたいんだよ」とyuko_nekoさん。
「いいや。熊の湯は夜にでも一人で行ってくるよ」
ええーっ。益々大変じゃない?
とは言ってもとりあえず熊の湯行きは却下ということになって、がっちゃんの車は山を下り始めた。
「
おぶせ温泉は入ったことある?」
「いいや、ない」と、がっちゃんとyuko_nekoさん。
「じゃ、いいかも。おぶせ温泉、行く?」
何となくおぶせ温泉行きが決まった。
私がおぶせ温泉を押したのは、たまたまカーナビに写ったからというのもあるんだけど、もっと
松川渓谷温泉に近い信州高山温泉郷の温泉だと、4~5時間近く自由になる今日にわざわざ行かなくても、滞在中他にチャンスがあるんじゃないかと思ったから。
松川渓谷温泉からおぶせ温泉までの距離を見て、ちょうど熊の湯までの距離と同じくらいだったから、がっちゃんは吹っ切れないようだった。
でもくねくね九十九折りの峠越えで行く熊ノ湯と違って、おぶせ温泉までの道はほとんど急なカーブもないし、到着までの所要時間や大変さは全然違うと思うよ。
山を下り、おぶせ温泉に到着したのはちょうど正午だった。
おぶせ温泉は平成元年に湧いた温泉で、ここには施設が二つある。
ひとつは日帰り温泉「
穴観音の湯」で、もうひとつは旅館で日帰りも受け付けている「
あけびの湯」だ。
私は2002年にタングラム斑尾の帰りに穴観音の湯に寄ったことがある。
その頃はまだ、あけびの湯は存在しなかった。
だから私は今回はあけびの湯に入ろうと思った。
「yuko_nekoさんたちは、穴観音の方に行ってもいいよ」
「いや、どっちでもいいから、あけびの湯に行くよ」