子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★☆☆☆ 泉質★☆☆☆☆ 湯は熱く、泉質もかなり刺激あり
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★★★ 赤ちゃんを脱がせるスペースはある
子連れ家族のための温泉ポイント
1848年に幕末の蘭学者・兵学者として知られる佐久間象山が、志賀高原の開発のため行った調査の際、手負いの小熊が傷を癒しているのを見て熊の湯を発見したとされている。
非常に特徴的な色の湯で、一度入ったら忘れられない。
その熊の湯が中庭から湧いている熊の湯ホテルは、スキーリゾートとして有名な志賀高原の草津寄りにある。雪の季節に熊の湯にアクセスすると、賑わう発哺や一の瀬ゲレンデのある北側と違い、ひっそりとした木戸池のそのまた先にある。
熊の湯ゲレンデは11月下旬から5月までという長い期間スキーを滑ることができる。ここはスキー場としても有名な場所なのだ。
熊の湯ホテルは雪の中に忽然と現れた。
ロビーなど、どっしりとしたいい感じのレトロ感と、最新の快適さが混在していて面白い。二台ほどご自由にお使いくださいとネットに繋いだパソコンまで置いてある。
男湯は内湯と露天風呂が繋がっているようだが、女湯は一度着替えないと出入りできない。寒いので、まず内湯をのぞいたが、スリッパが何組かあったので、先に露天風呂へ行くことにした。
男性用露天風呂は雪見風呂が楽しめるが、ふきっさらしで猛烈に寒かったそうだ。
女湯は5人くらいは余裕で入れる樽風呂になる。100年前の酒樽で作ったそうだ。面白いし情緒も満点。但し、景色はほとんど見えない。
立ち上がると雪景色が見える。ついたてのすぐ外側はプールだろうか?
まず目を引くのは湯の色。素晴らしいグリーン。ちょっと岩手県の国見温泉を思い出す。国見よりは僅かに沈んだ緑色だ。濁りはそれほどでもなくうっすらと足の先まで見える。白い細かい湯の花がかなり沢山ゆらゆらと漂って、足元にもうすく堆積している。
湯口から出る湯にはリズムがある。増えたり減ったりするのをカナは面白そうに見ている。
匂いは少し薬品くささもあるゆで卵臭。味は苦味の混じったゆで卵っぽい味。
きしきしもにゅるにゅるもしないが少しひりひりとくる感じ。温度は熱すぎずぬるすぎず、深さもそれほど深くないが、樽の縁が薄いので、子供たちは自分たちで出ることは出来ても入ることはできない。掛け湯をしたら、一人ずつ、抱きかかえて中に入れた。いいお風呂で、のんびり入ってしまった。
内湯も素晴らしいつくりだった。木造で天井には太い梁が通っている。床も湯の流れを考えて凹凸をつけた木製。すっかり黒ずんでいい色になっている。全て檜だそうだ。
湯口からとうとうと流れ出る湯は、縁を洗い、掛け流されていく。
温度は露天風呂より熱めで、色も露天よりかなり緑濁が強い。例えるならば、抹茶の色。湯の中に沈めた手足が見えないくらい濁っている。ここの湯の色は天候によっても濁り具合がかなり違うらしい。
飲泉用のひしゃくがあったので飲んでみた。露天風呂より苦味が強い気がする。苦味が勝っている分、ゆで卵味はあまりしない。
露天風呂(女湯の樽風呂)の脱衣所は、籠があるだけの簡素なものだったが、内湯の脱衣所には赤ちゃんを脱がせるのに適した場所があるので、こちらなら赤ちゃん連れも入れるだろう。ただ、湯は熱くて刺激的なのでほどほどに。
あまりにこの湯が気に入ったパパは、この日は温泉だけで満足してしまい、昼食も夕食もろくに取らずに寝てしまった。1,000円の入浴料は安くはないが、それだけのものがある温泉だった。