6.信州高山温泉郷と万座温泉
ここでちょっと現在いる信州高山温泉郷と、今日これから向かう
万座温泉の位置関係をおさらいしてみよう。
このふたつは直線距離にするととっても近いのだ。高低差を考えず、万座温泉と
七味温泉を地図上で測れば、直線距離にして4キロぐらいだろうか。
七味温泉と万座温泉を直接結ぶ、万座山と黒湯山の峠を越える林道は一般車両通行止め。
通常は奥山田温泉から笠ヶ岳の峠を登り、
熊の湯から志賀草津道路に入る。
もちろんうちは最初からそのつもりだった。一応、紅葉館に予約を入れるときに電話でこの道が通れるか聞いてみた。普通車なら大丈夫だという話だった。
しかし、がっちゃんのデリカはトレーラーを引いているのだ。
確か昨日、山田牧場キャンプ場の使用料を徴収に来たさわやかなお兄さんが言っていたじゃないか、「マイクロバスすら通れなくて、普通車二台に分乗して峠を越えたお客さんもいた」って。
先日の台風で一時的に道が通行止めになったという話も聞くし。
もし笠ヶ岳の峠を越えることができなかったら、いったん山を下って、
渋温泉の方からぐるりと回るしかない。それでも相当な九十九折りだろうけど、道幅は広いはずだ。
どうする?
「行けるところまで行ってみれば?」とパパ。
「そうっすね」
い、いいのか?
行けるところまで行って行かれなくなった時点ではもうどうすることもできないんじゃないかと思うけど・・・というか、志賀高原方面で泊まるって言っていたがっちゃんを松川渓谷側に引っぱり出しちゃったのは私か。
まあ、なんとか笠ヶ岳の峠を越える方向で話がまとまったので、群馬県に抜けてしまう前にもう一風呂入っていくことにした。
何しろ群馬県に行ってしまえば万座温泉しかない。
いや、万座温泉があればそれでいいんだけどね。
天気が悪く見晴らしがないので、満山荘というチョイスは無しだ。
昨日、キャンプ場のお兄さんが推薦してくれた
レッドウッドインに入っていくことにした。ここは朝8時から立ち寄り入浴を受け付けている。
山田牧場スキー場前の何軒か旅館やペンションが並ぶ一角にレッドウッドインはある。
スイスアルプスの山小屋風の三角屋根。昨日煙草を譲ってもらったセルバンよりさらに洒落たつくりだ。
今回も子どもたちはお風呂に入らないと言うのでトレーラーで留守番していてもらうことにした。子どもたちがだんだん大きくなってきてずいぶん楽になったものだ。
この辺りは道路にも我が物顔で牛が歩いている。
ますますガスが出てきて、辺りは真っ白だ。
レッドウッドインと言えば、美味しいレストランと巨大丸太をくりぬいたお風呂で知られる。
先代オーナーがアメリカの歴史ある国立公園セコイアナショナルパークで1ヶ月探し回り、ようやく手に入れた世界最大種の樹木であるレッドウッドの丸太を日本に運び、それをそのまま浴槽として使っているという贅沢なお風呂。
直径3.2メートル。
レッドウッドは当時でも伐採は禁止。今は風倒木ですら切り出すことができなくなっているという貴重な材木だそうだ。
また、レッドウッドインの建物自体もそのとき運んだレッドウッドのログからできていると言う。
レッドウッドインの入り口には、レストランのランチメニューと、「縄文時代に芽吹いた樹齢1650年、巨大丸太露天風呂!!」と書かれた木のパネルなどが並べられている。
入るとまずレストランになっていて、アンティークな山小屋風の内装、隅には暖炉もある。
お風呂に至る階段や廊下も、海外のコテージにでも来たかのような洒落たつくりだ。クリスマスにカップルで泊まるのにぴったりという感じ。
脱衣所はちょっと狭かったが、ラッキーにも誰も入っていないようだ。