子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★★ 泉質★★★★☆ 露天風呂はぬるめ、泉質は特に刺激など無し
- 設備★★☆☆☆ 雰囲気★★★★★ 脱衣所は少し狭い 露天風呂は階段もあるので子連れは注意
子連れ家族のための温泉ポイント
奥山田温泉のレッドウッドインと言えば、美味しいレストランと巨大丸太をくりぬいたお風呂でちょっと知られる宿。
巨大丸太のお風呂というのは、レッドウッドインの先代オーナーがアメリカの歴史ある国立公園セコイアナショナルパークで1ヶ月探し回り、ようやく手に入れた世界最大種の樹木であるレッドウッドの丸太を日本に運び、それをそのままくりぬいて使っているという稀で贅沢な浴槽のことだ。
直径3.2メートル。
レッドウッドは当時でも伐採は禁止。今は風倒木ですら切り出すことができなくなっているという貴重な材木だという。
また、レッドウッドインの建物自体もそのとき運んだレッドウッドのログからできている。
まさにレッドウッド尽くし。
天気が良ければ見晴らし重視で満山荘を訪ねようと思ったが、あいにくの曇天でもあり、山田牧場キャンプ場の受付をしてくれたお兄さんが勧めてくれたレッドウッドインに寄ってみることにした。
山田牧場スキー場前の何軒か旅館やペンションが並ぶ一角にレッドウッドインはある。
スイスアルプスの山小屋風の三角屋根。
入るとまずレストランになっていて、アンティークな山小屋風の内装、隅には暖炉もある。
お風呂に至る階段や廊下も、海外のコテージにでも来たかのような洒落たつくりだ。クリスマスにカップルで泊まるのにぴったりという感じ。
脱衣所はちょっと狭かったが、今は誰も入っていないようだ。
内湯の浴槽は石でできていて、空豆の粒のような形をしている。お湯は綺麗な青灰色の濁り湯。
でもやっぱりレッドウッドインは丸太の露天風呂だろうと思い急いで外へ出てみた。
内湯から繋がっているドアを開けると、高いところに丸太風呂が据え付けられていた。
石段を登っていくようになっている。ざあざあと丸太風呂から溢れたお湯が石段を伝って勢い良く流れてきている。
私はレッドウッドの丸太というので、もっと赤茶色の生の木のようなものを想像していたが、樹齢1650年、3.2mの直径に成長したその木は、温泉の色で染められたのか色を失い灰色で、しかもあまりに固いので、まるで石かコンクリートででもできているようだった。
さらに実際にひび割れの部分はコンクリートのようなもので修繕してある。
でもそれは面白みを欠くと言うより、天然の木がここまで石のようになってしまうということにむしろ驚きを覚えた。
丸太の露天風呂はぬるかった。
レッドウッドインでは加水していないという表示があったが、外気温で冷まされているのかお湯は相当ぬるかった。
青白い綺麗な濁り湯で、同じ信州高山温泉郷でも五色や七味と違って粉のような細かい湯の花が沢山舞っている。
滑らかな肌触り。
ゆで卵の臭いはそれらの温泉と同じように感じるが、奥山田温泉のお湯は蒸気による造成泉だからなのか、入った印象はとにかく軽い。重々しいところが全くない軽やかなお湯だ。
丸太風呂の背後は木の柵の向こうに森。
前方はレッドウッドインの建物を見下ろすようになっていて、その向こうにぽつぽつと木の生えた牧草地。冬にはスキー場になるのだろう。長閑な景色。
そうか、この景色を見せるために、丸太風呂は高いところに据え付けられたのか。
ぬるめのお湯にのんびり浸かって、丸太の縁に肘を当てながら牧歌的な山の景色を眺めていると、また流れてきた雲が全てを覆い隠してしまった。