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◆◇九州温泉巡り旅行記◇◆
阿蘇-長湯温泉-黒川温泉

29.みんなが勧めるラムネ温泉館






 そして私たちは天風庵に戻ってすぐにまた次の温泉へ向かった。
 私はこういう風に立て続けに回ることもあるが、パパがそれに付き合うのはかなり珍しい。

 「長湯温泉に泊るって言ったら、知っている人はみんなラムネ温泉館に行け行け言うの。そんなに凄いところなのかなぁ。わくわくするなぁ」
 ちょうど河原の無料混浴露天風呂 ガニ湯から上がった辺りで少し辺りは夕暮れの様相を帯びてきた。
 黄昏時という言葉の似合う、見回す周囲が光を落とし紫の色を濃くしていく時間帯。
 天風庵でチェックイン時に受け取った割引券を持ち、徒歩でラムネ温泉館に向かう。
 同じく割引券を貰った万象の湯や、宿泊者は無料で入れる翡翠之庄と異なり、ここだけは徒歩圏。歩いて2、3分ぐらい。


いったん戻って来た黄昏時の天風庵。正面じゃなくて、駐車場側から見たところ。


 そうなのだ。
 長湯温泉と聞くと、みんなラムネ温泉館に行くといいと教えてくれる。
 特に露天風呂。
 温泉好きの友人知人たちは口をそろえてそう言うし、地獄温泉清風荘の夜の新湯で出会ったヌシみたいだった人もそう言っていた。
 ヌシみたいだった彼女は以前長湯に泊った時、泊まった宿にあまりいい印象が無かったらしくて「湯量が足りなくてほとんど水で埋めたみたいな旅館もあるから気を付けて」って言ってたっけ。その宿の名前は口にしなかったけど、長湯にはお湯は沢山溢れているのかと思っていたから意外だった。


天風庵からは川沿いに歩いていけばラムネ温泉館まですぐ。右はラムネ温泉館の石塔。


 近づいてきた建物は最初はその意外な形に驚いた。
 三角の巨大な屋根が建物のほとんどを占めているデザイン。
 何より屋根のてっぺんにちょこんと生えている植物?
 なに風と言ってよいのだろう。何だかイメージしたのは「ムーミンが住んでいそう」というもの。
 さらに最初は屋根ばかりが目についたが、よく見ると壁の部分は白黒のストライプ。非常に目を引く個性的な建築物だ。

 実際ラムネ温泉館の建築は、独創的な美術館のデザインなどで知られる建築家 藤森照信氏によるもので、特定のどこかの国の建築物ををイメージしたというものではなく、焼き杉、漆喰、銅版を効果的に使用したオリジナルなものであったようだ。

 とにかく今まで見たことの無い建物で、敷地内に入る時に絵本の中のような別の世界に行くようで不思議な感覚があった。





2-30ラムネ温泉館へ続く


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