子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆ 温度は適温。
- 設備★★★★★ 雰囲気★★★★☆ 赤ちゃん連れで心配な場合は貸切露天風呂利用も有り
子連れ家族のための温泉ポイント
長湯温泉翡翠之庄は、広い敷地に全室離れの高級宿で、母屋は茅葺、離れの建築は宮大工が施工した拘りの作りだ。
私たちが泊まったガニ湯本舗天風庵はこの翡翠之庄の系列宿で、お部屋の鍵を見せれば無料でお風呂を使わせてもらえる。
但し、距離は少し離れていて、長湯温泉街の中心市近くにあるガニ湯本舗天風庵と異なり、翡翠之庄はダム湖近くにあり、車で無いと移動は不便だ。
翡翠之庄は、同じく系列の日帰り温泉である万象の湯とは天風庵から見て反対側の方角だ。
細い道に曲がる所で道を間違えた。
地図上で翡翠之庄が二本の道に挟まれていて、どっち側が入り口かわかりにくかったのだ。
もう一本先の道に行くとちゃんと翡翠之庄の看板が出ていた。今度は正しいらしい。二本の道の間に長湯ダム湖という人口湖があるので、最初の道からはどうしても行かれないのだ。
翡翠之庄は想像していたよりずっと高級だった。
もうね、門構えがね、圧倒される。
茅葺屋根に暖簾が下がっている。
その門の向かいには公園みたいなスペースがあって、何故か山羊までいる。
茅葺屋根の門には---門と言っても四阿みたいな作りで扉は無いが、そこに「伝 お客様へ 御到着されましたら左手のブザーを押してください。台座の電話は内線7番がフロント直通になっております。 翡翠之庄」と小さなプレートと電話がある。
ちょうど雑草を駐車場の刈っていた従業員のおじさんがどうぞ電話をと世話をしてくれる。
いやあの・・・と自分たちの服装を見る。アウトドアというほどではないけど、お風呂に入ることだけを目的に来たからかなりラフな格好。場違い感半端ない。
門を潜るとこれまた緑にあふれた素敵な空間。隠れ家みたい。
ロビーも落ち着いたカラーで和風ながらどこか東南アジアの高級リゾートみたいな雰囲気もある。
受付で鍵を提示するとお風呂への行き方を教えてくれた。「小さな男女別浴場」というところに行けばいいらしい。
「小さな」って言うのがちょっと気になるけど。
廊下を曲がって進んでいくと、この翡翠之庄という宿が品の良い離れで構成されていることがわかる。
途中には高原避暑地にありそうな、緑に囲まれたオープンエアのテラス席もあった。
ホント、私たちが泊まったことのないタイプの宿だ。高そうだなぁ。
小さな浴場と言っても棟は全然小さくなかった。
屋根が張り出しているので雨でも傘はいらないが、独立した湯小屋になっている。
浴室そのものは木造のシンプルなもので、雰囲気は良いが特別な作りをしているわけではない。
木の縁の長方形の湯船がひとつ。
表面にごく細かい粉のような湯の花が沢山浮いている笹濁りのお湯で満たされている。
お湯は自家源泉。
ごくわずかに泡付き。元々の源泉はかなりアワアワらしいが温度のせいもあって湯船に入る前に抜けてしまうようだ。
湯船の隅にある湯口は木製の魚の形で可愛らしい。その魚の口からお湯が出てくる。浴槽の縁にも魚の口にも析出物がついて赤茶色のよだれみたいに固まっている。
気持ちぬるめのお湯はゆっくりと入れる。
源泉を飲んでみると金属のにおいが立ち上って、少しばかりじゅわっとする感触がある。
備え付けのシャンプーやボディーソープは環境に配慮したものを置いてあると書いてあった。
泊まる宿はお風呂の無いガニ湯本場天風庵だし、今日このあとまだどこのお風呂に入るとか決めていなかったので念のためここで髪も洗ってしまうことにした。
男湯ではパパも洗っていたようで、後から「やっぱり環境に優しい高級シャンプーだから洗ったんでしょ?」と揶揄された。違うってば。
最初は気付かなかったが、広い窓の遠くにダム湖がちょっとだけ見える。
立木が邪魔で本当にちょっとだけだけど。
湯上りはミニサイズの缶ビールや缶ジュースがどうぞご自由にと用意されている。仲居さんには日帰りでも遠慮なくと言われた。上品なだけでなく太っ腹な宿だった。