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◆◇草津温泉と渋温泉◇◆
真夏の外湯巡り

29.千と千尋の金具屋ライトアップ






 部屋に戻るともう布団が敷かれていて、パパはごろりと横になるとテレビをつけた。
 ダッシュ村をやっている。坂の町 尾道で流しそうめんにトライだって。ああ、これ知ってる。ちょっと前にtwitterで話題になってた。尾道の坂に流しそうめんの機材がセットされていて、見つけた人がこれはTOKIOのダッシュ村に違いないって広めてた。

 「で、何時ごろ九湯巡りの続き、行くの?」
 「ダッシュ村が終わってから」
 パパはダッシュ村大好きだからそれはわかるけど・・・
 「ちょっとー、今にも寝ちゃいそうじゃん」
 「眠いー、眠いんだよー、ダッシュ村、終わったら起こして」
 終わったら起こしてって、もうダッシュ村関係ないじゃん、見てないんだからー。
 「今寝たらすごーく気持ちいいんだよ」
 「・・・じゃ、起こさない方がいいね」
 「起きる、起きるよ」
 「ホント?」
 「・・・いや」
 どっちなんじゃいっ。

 そしてそのままパパは寝てしまった。
 しょうがないなー。
 せっかく渋温泉に泊っているんだし、一人でどっか外湯に行ってくるか。一ヶ所か二ヶ所、入って来ようっと。
 そして結局一人で夜の湯巡りに出発したのだ。なんかそうなる予感はしていた。





 黄色っぽい街頭に照らされた温泉街は独特の雰囲気だ。
 浴衣姿の人の姿もちらほらとはあるけれど、やはり静か。昨日は土曜の夜だから、昨日だったらもっと賑やかだったんだろう。
 渋大湯の前に出て、ちょっとメインストリートを左に歩いてみるとすぐに歴史の宿金具屋がある。
 金具屋は千と千尋の神隠しに出てきそうな木造建築を渋い金色にライトアップしていて、通る人通る人この金具屋の前で記念撮影している。


泊ったわけでも無いのに金具屋を撮影・・・ライトアップは絵になるね。


ついでにこちらは金具屋の玄関になります。


 さて、夕方に一~三番湯までは巡った。
 順番で行けば次は四番湯の竹の湯だが、夜で暗いし方向音痴の自分はメインストリートより一本内側の四番湯、五番湯に行くのは不安だ。どうせスタンプを集めているのはパパだし、今、九湯の残り六湯全部に入るつもりは無いからこれは手近なところから行こう。
 一番近いのは当然ひしや寅蔵の隣の渋大湯だが、いきなりラストの結願湯に入るのもなんだ。
 すると消去法で新明滝の湯か・・・。

2-30渋温泉八番湯 新明滝の湯へ続く


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