◆◇草津温泉と渋温泉◇◆
真夏の外湯巡り

25.渋温泉二番湯 笹湯

　出るとパパが巡浴手ぬぐいにスタンプを押していた。
　押しながら迷っている。
　スタンプはデザインが複数あったのだ。
　モンハンキャンペーンのモンスターが描かれたスタンプは違うとして、通常の巡浴手ぬぐい用のものが二種類。「初湯」の文字が入ったのと、炎を図案化したみたいなもの。
　よく判らなかったので適当に押したが、後から他の観光客がスタンプを押しているときの会話を耳にしたら、外湯の名前のものを各外湯の名称の下に、炎のものは何番湯と書かれた文字と外湯の名称の間に押すものらしい。

　一番湯初湯から1ブロックも歩けば二番湯笹の湯が見える。
　鍵はひしや寅蔵から貸与されている一つしか無いので、二人で回るときには同時に行かないと開けられない。
　今回もまず女湯の鍵を開けて・・・と思ったらドアが中から開いた。
　出てきたのはさっき初湯で一緒に加水に励んだ彼女。
　「ここも熱いですよ」
　そ、そうなの？

　ここも熱いどころではなかった。
　断言できる。彼女は入っていない。熱さに諦めて入らずに出た。
　だって水で埋めた形跡も無いくらい激熱。
　水の蛇口をいっぱいまで捻ったけど全然温度が下がる気がしない。
　何故なら初湯と違ってここは湯口の湯量を絞る手だてが無い。その上で上で水の蛇口から出る水は、限界まで出しても湯口のお湯より量が少ない。初湯のようにホースも無いので他の蛇口から水を引いてくることもできない。

　初湯が全部木だとしたら笹の湯はタイル貼り。壁も床も浴槽の内側も。
　しばらくお風呂の隣にしゃがんで水をできるだけ入れて粘ってみたけど全然温度が変わらないようなのでしまいには諦めた。
　ちなみに男湯は湯口のお湯を調節できたようだ。悔しい。一番湯、二番湯ともに女湯の方がハードルが高い。