子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★☆☆☆☆ 泉質★★★★☆ 温度は熱い
- 設備★☆☆☆☆ 雰囲気★★★☆☆ 赤ちゃん向けの設備などは特にない
子連れ家族のための温泉ポイント
渋温泉巡浴九湯巡りを順番通りに回ろうと思ったら、まず一番最初に来るのがここ、一番湯の初湯。
高僧行基が最初に発見し、托鉢の鉢を洗ったことから鉢湯、初湯となったとされる。胃腸によく効く。
続く二番湯の笹の湯、三番湯の綿の湯と違い、建物は直線的だ。
渋温泉の外湯はどこも木造の湯小屋で基本的に浴槽があるだけの簡素な作りで、それがいかにも共同浴場らしくて良いのだが、この初湯も同じで棚だけの脱衣所から浴室に移ると、そこは板張りの浴室で、長方形の浴槽にやはり木の樋を伝ってお湯が入るようになっていた。
浴室は全て木造。浴槽も床の簀の子も壁の一部も木でできていて和む。
特に浴槽の縁はいい感じに角が取れ、黒ずんで味を出している。
2004年に入った時はお湯は白濁が強くかなりの濁り湯だった。底の方は見えないくらい。
掲示してある温泉の分析表を見ると、二番湯、三番湯と同じ内容のようだが、その二つと比べて金気臭は弱く、ぎしぎしとした肌触りを強く感じた。
なお、この時は適温で入りやすかったが、10年後の2014年に訪ねた時は、とてつもなく熱く、到底加水せずには入れない温度だった。
まったく何も考えずにその場にある桶を取って湯船のお湯で掛け湯をしたら
「あつーーーーっっ」
やけどするかと思った。
なんじゃこりゃ。いったい何度あるんだ?
男湯の方からも熱いとか水を入れているとか声が聞こえてくる。どうも男湯はもう一人地元の子なのか手慣れた子供がいて加水してくれているようだ。後から聞いたら小学生で、ホースで水を入れる時も跳ねないように桶で押さえて使っていたそうだ。
女湯はたまたま同時に来たもう一人の観光客と自分の素人二人、途方に暮れる。
とにかく最初はためらったがこの温度じゃとても入れないので水の蛇口を限界まで開けた。
もう一人の人はカランに付いていたホースを浴槽に入れてこちらも加水の加勢をしてくれる。
途中で湯口の樋にせき止めるための板を見つけたのでこれも使ってみた。でもあまりがっちりせき止めてくれるわけじゃないので気持ち程度の効果かも。
それでもしばらく加水していると温度が下がってきた。
死ぬほど熱いと思っても、下がるときは一気に下がる。見極めが難しい。
なんとか程よい温度になって入れた。
もう一人の人は諦めて出てしまった。
浴室に入った時にほんのりと感じた硫黄のにおいは、必死になって温度を下げていたこの頃にはもうわからなくなっていた。
なお、この一番湯には入浴のお客さまにお願いとして、「当一番湯は健康管理の為に湯船の温度を40~42度に、調整してありますので、あとから入浴の方々の為に水を入れぬるくしないようにお願いします」と管理者の貼紙があったが、はっきりきっぱり42度なんて言う生易しい温度じゃなかったことを明言しておく。
ただし、上がるときにはちゃんと蛇口もホースも樋の板も元通りにしておいたよ。
10分もすればまた地獄の熱湯風呂になると思うけど。
さあ、次、二番湯へ行ってみよう!