11.定山渓温泉で立ち寄り入浴していこう
藻岩山方面には行かず国道を直進すると、道は豊平川に沿っていつの間にかゆるく蛇行している。
町もとっくに抜けて周囲は緑、緑。
札幌は広い北海道の中でとびぬけて大きな都市だが、正直なところちょっと離れただけでこんなに緑豊かな山の景色になるとは思ってもいなかった。
そんなに高くは無いがところどころ印象的な岩山もそびえている。そんな景色が車窓からも見える。
昔、同じ職場にいた北海道出身の人が、札幌では町中の公園に野生のリスが遊びに来るって言っていたけど、東京では考えられない自然の近さはこういう環境から来るのかな。
札幌の中心部から20~30キロ離れると札幌の奥座敷、定山渓温泉の温泉街だ。
定山渓温泉は豊平川の渓谷、定山渓国に沿って25軒ほどの宿泊施設が立ち並ぶ風光明媚な温泉地。川底や川の周囲から豊富な塩泉が自然湧出している恵まれた環境で、全国的な知名度も高い。
この大規模な温泉街を形成している定山渓温泉から3~4キロかなぁ、豊平川を上流に向かい途中で看板に従い230号線から左に折れたところに今夜の宿泊地
豊平峡温泉はある。
近くの定山渓が温泉街であるのに対し、豊平峡温泉は施設が一ヶ所しかない。
ところでせっかく定山渓温泉を通過するなら、まだ時間にも余裕があるし、一ヶ所立ち寄ってもいいかな?
ダメもとだったけどOKが出た。
今日はラッキーだな。一日一湯どころか豊平峡を入れると三湯できそうだし、しかもどこも入りたかったところばかり。
選んだところは
源泉の宿 福寿苑。
ここは定山渓グランドホテルの別館で以前は定山渓ニューグランドホテルと言ったらしい。とにかく急いで調べた中では一番日帰り入浴が安いという理由だけで選択した。
どこがいいとか悪いとかじっくり選ぶ時間は無かったし、そのグランドホテルを始め多くの宿では普通に千円以上の入浴料を取っているのに対し、この福寿苑はたったの400円となっていたので。
渓谷に沿って並んでいる大型旅館をちらっと見た時にはこの辺りの宿は少し古いかなという程度の印象だったが、入り口のある道路側に回って福寿苑を見た時にはさすがに古すぎるだろうと思った。