子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★☆☆ 泉質★★★★☆
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★☆☆☆
子連れ家族のための温泉ポイント
札幌市街地から20キロちょっとという距離がいい。
定山渓温泉は豊平川の渓谷、定山渓国に沿って25軒ほどの宿泊施設が立ち並ぶ風光明媚な温泉地。川底や川の周囲から豊富な塩泉が自然湧出している恵まれた環境で、全国的な知名度も高い。
札幌は広い北海道の中でとびぬけて大きな都市だが、正直なところちょっと離れただけでこんなに緑豊かな山の景色になるとは思ってもいなかった。
藻岩山方面の表示板があったがそちらには曲がらず国道を直進すると、道は豊平川に沿っていつの間にかゆるく蛇行している。
いつの間にか町をとっくに抜けて周囲は緑、緑。
さて大規模な温泉街を形成している定山渓温泉から3~4キロかなぁ、豊平川を上流に向かい途中で看板に従い230号線から左に折れたところに今夜のキャンプ地 豊平峡温泉はある。
豊平峡温泉に行く途中、せっかく定山渓を抜けるならどこか一ヶ所お風呂に入っていきたいなと思って選んだ宿が源泉の宿 福寿苑。
ここは定山渓グランドホテルの別館で以前は定山渓ニューグランドホテルと言ったらしい。
とにかく急いで調べた中では一番日帰り入浴が安いという理由だけで選択した。
どこがいいとか悪いとかじっくり選ぶ時間は無かったし、そのグランドホテルを始め多くの宿では普通に千円以上の入浴料を取っているのに対し、この福寿苑はたったの400円となっていたので。
渓谷に沿って並んでいる大型旅館をちらっと見た時にはこの辺りの宿は少し古いかなという程度の印象だったが、入り口のある道路側に回って福寿苑を見た時にはさすがに古すぎるだろうと思った。
入り口を見た時はとても不安になったが、中に入るとやはりここは駐車場側の裏口だったようで、卓球台や囲碁セットのある小部屋を経て渓流に面したロビーへと続いていた。
ロビーはそれほど広くは無かったが、昔はそれなりの宿だったのだろうと思わせる雰囲気を漂わせていた。グループ宿である定山渓グランドホテルと一緒に夜は渓流で花火を打ち上げるという張り紙もあった。
立ち寄り入浴させてもらいたい旨伝えると、斜め前の階段を下りたところの浴室をお使いくださいと言われた。
少々薄暗い狭い階段のところに来ると、上は一部の時間を除き貸切利用で使われている露天風呂であるとの表示があった。
こちらは残念ながら予約制になっているようで、私たちは下へ降りた。
中途半端な時間だったせいか、浴室は誰もいなかった。
点描画の絵画かノイズのように細かいタイルが壁や柱や浴槽の縁を覆っている。
やはり建物の印象同様少し古びていてきちんと清掃してもどこか温泉成分で染まったりこびりついたりしている。
浴槽は二つで、窓際の冠型のものと、壁際の細長いものとある。
どちらに入っているのも無色透明で少しばかり熱めのお湯。
きしつく肌触りが少しあり、とても温まる。もう、すぐに温まる感じで長くは入っていられないほど。
壁側の浴槽は窓から離れているので暗い感じだが、浴槽の端にディスプレイとして丸く盛り上がった部分があり、そこにまるで鱗のように金箔が張られていた。
入るまで気付かなかったのは、お湯から頭を出している部分は析出物で茶色く染まっていたからだ。お湯の中に入っている部分はきらきらと光っていた。ただしここもあちこち剥げかけている。
金色ってゴージャスだよなぁ。
きっとこの宿も昔はゴージャスだったんだろうなぁ。
後から知ったがこの浴室はエメラルド大浴場という名前で、男湯の方なのか黄金大浴場というものもあるらしい。