◆◇レンタルキャンピングカーで北海道◇◆
北海道キャンプ旅行記
11.ザンギって何だ?
いつの間にか窓の外は暗くなっている。
まだ真っ暗ではないが、日は落ちて街灯や建物の灯りがつき始めている。
ラーメンや中華丼を注文していると、ふとメニューの「ザンギ400円」に目が留まった。
「ザンギだ。頼んでみよ」と私。
「えーっ、また得体のしれないものを!」とパパ。
最初のサービスエリアでザンギ売り切れの札を見てからずっと気になっていたザンギ。ここで食べなきゃいつ食べるんだ?
そして運ばれてきたザンギは・・・美味しそうな鶏のから揚げだった。
ザンギを運んできた華花の従業員に「ザンギが何か気になっていたんです」と言うと、お姉さんはいったん引っ込んで、すぐに華花通信特別増刊号と書かれたちらしを持ってきてくれた。そこには「何気なく北海道弁 総集編」というタイトルで、いろいろな北海道弁が紹介されており、その中に「ザンギ」が!
お姉さんがマークしてくれたのか赤ペンで星印がつけられたザンギの説明にはこうあった。
「鶏肉の唐揚げ。華花メニューにもある立派な北海道弁である。由来は諸説あるが、肉をザン切りにして作ったことからきたとの説が最有力」
なぁるほど。
華花のお姉さん、ありがとう!
食後は今度はレナも連れてもう一度お風呂へ。
すっかり日は落ちて、ぽつりぽつりと町の灯りの見える露天風呂もいい。
今日はもう次の目的地まで走るだけなので髪も洗って終わりにした。
さっぱりしてお腹もいっぱいになって
ふらのラテール万華の湯をあとにしたのは夜8時半頃だった。
ここからはまず上富良野まで行き、それから道道291号線こと吹上富良野線を使って山を登ることになる。
万華の湯を出た時には雨は上がっていたが、走り出してすぐに遠雷が空を裂いた。今回の旅は晴れたり降ったりだ。雲をいくつも潜り抜けて走っているような気がする。
万華の湯を出る前にもう一風呂。辺りは既に真っ暗に。
いつの間にか山道だった。
最初は余裕でも、そのうちに斜度が急になり、カーブひとつ曲がるごとに車がよっこらしょというように苦しむようになってきた。
なんせいつもの自家用車じゃなくて図体の大きい重いキャンピングカーだ。
登りきれないかもとパパが眉をしかめる。
がんばれっ。みんな拳を握りしめる。
あと少し。
山はすっぽりと雲に覆われているのか辺り一面靄の中だ。
靄の向こうにぼんやりとオレンジ色の灯りが見えた。
きっとあれが
凌雲閣だ。
あそこまで登れば・・・