1.凌雲閣は何時から?
レンタルしたキャンピングカーのベッドは、運転席の上の部分と後部座席をがしゃんがしゃんと組みなおしたもの。
問題は後部座席の方。レバーを引いてから背もたれを倒したり座席部分を持ち上げて回転させたりしてフラットにするのだが、なかなかうまくいかない。
毎晩それなりに苦労していたのだが、昨夜はとうとうお手上げになってしまった。
レバーがある位置から先、動かない。どんなにみんなで力を合わせても石のように固まったまま動かない。
動かすにはコツがあるのだが、複数あるレバーの一ヶ所だけ、動くはずのやり方で動かしても動かない。
押したり引いたり、しまいには座席カバーのファスナーを開けて中のバネをいじったりしたがどうしても動かすことができなかった。
しょうがないのでそこの部分だけ、凹んだ状態で寝た。
後部座席で寝ているのは大人二人で、運転手のパパには疲れてほしくないと私がその凹みの近くで寝たが、どんなに凹みを避けてもいつの間にかそこにはまってしまう。
結局熟睡できないまま朝が来てしまった。
もうやだ。このベッド。
今回のキャンピングカーは電気系統の故障といいトラブル続き。
夜が明けても辺りは真っ白のままだった。
全てがうすぼんやりとした靄に包まれている。
湿った靄は吸い込むと肺に重たく感じる。地面もぬれていて、もうこれは靄なのか霧雨なのかよくわからない。
朝になって青くなったことがあった。
そもそも昨夜なかなか登らない重い車体をよっこらしょと振りながら山道を登ってきたのは念願の
十勝岳温泉凌雲閣に入るためだ。
その計画はとにかく夜のうちに凌雲閣の近くまで移動してしまい、朝一番に朝風呂に入って旅を続けるというもので、手元のガイドブックに日帰り入浴は朝8時からとなっていたのを見て立てたものだが、これが怪しくなってきた。
昨夜苦労して一部凹んだままのベッドに寝転がったままスマホで凌雲閣を検索していたところ、日帰り入浴時間を10時からと書いている情報が複数あり、心配になって凌雲閣の公式サイトを確認しようとしたのだが、どうもこの公式サイトは私のスマホと相性が悪いらしく(時々そういうサイトがある)、読み込んだ瞬間ブラウザがダウンしてしまう。
これを何回か繰り返してとうとう私は公式サイトを訪問することを諦めた。